失敗しない永代供養

その意味と契約時の注意点や価格を徹底解説!

失敗しない永代供養

近年、寺院や墓地霊園の広告で、永代供養という言葉が目に付くようになりました。少子化時代になりお墓を継ぐ子や孫がいなくなってきた時代背景があり、子孫に代わって寺院などに永続的な供養をゆだねるお墓の形態を表現しています。では、この永代供養ですが、あいまいな説明や理解のため誤解も生まれる問題点もあります。失敗しない永代供養の仕方をご紹介します。

1.永代供養

(1) 永代供養とは

永代とは、永世・半永久的なことを意味し、供養とは仏教語で、三宝(仏・法・僧)または死者の霊に供物を供え回向すること、とされています。回向とは、仏事を営んで死者の成仏を祈ること(広辞苑)とされ、従って、永代供養とは、永続的に仏事を営み死者の成仏を祈るということになります。

(2) 永代供養が注目される背景

現代の永代供養で注目される点はお墓の問題です。少子化を背景にお墓の承継者がいなくなってきたことです。「子供がいない」「子供が女の子だけ」「子供に迷惑をかけたくない」などの理由ため、親世代が生前に新しいお墓を求める傾向が出てきました。

(3) 寺院、墓地側にとっての永代供養とは

お墓を提供する事業者の寺院、墓地霊園側にとっても、時代背景によるニーズをくみ取り、永代供養方式のお墓の形態の開発と低額化による量的販売の時代になってきました。お墓を承継する子孫がいなくても、寺院の存続する限り、他の人と一緒に埋葬する合葬・合祀(ごうし)をし、管理・供養するものです。寺院、墓地霊園側にとってはお墓市場での生き残り策でもあります。

2.永代供養のお墓の現状

(1) 永代供養墓の形態

お墓の形態では、単独墓、集合墓、合祀墓(共同墓)の3つに大きく分けられます。永代供養する仏事はどのお墓の形態でも可能ですが、お墓の形態で永代供養方式が前面に出て、関わってくるのは集合墓、合祀墓です。
集合墓は、納骨堂などの名称で、集合納骨スペースの中に小規模の個々の納骨スペースを分割し、その中に遺骨、位牌などを置く形態です。合祀墓は、樹木葬などの形態で、個々の納骨スペースを設けず、他の人の遺骨を分けずに埋葬し、記念碑、記念樹などを設定するタイプです。また、その合わさった形(合祀しながら遺骨だけ袋に入れるなど)のタイプもあります。

(2) 永代供養墓の問題点

①永代と言っても永遠ではない!期限はどうなっているのか?
集合墓では、永代と言っても実際には期限が設けられている場合がほとんどです。17回忌、33回忌までなどですが、寺院、墓地霊園の内規に定められている形態をとり広告営業時点では情報公開が不十分な場合もあります。集合墓の個々の納骨スペースは、期限後にはなくなり合祀されるのが一般的です。そのため契約内容は個々に確認する必要があります。

②ここでよく似た言葉「永代使用」の意味も理解しておきましょう
 檀家となっているお寺で、先祖代々お墓を継承するための「権利」のことを指します。つまりお墓を継ぐ人がいて、その人たちがお寺に管理料を「永代」に渡って払い続けることで「永代使用」の権利がもらえるのです。もちろんお墓を建てる時には、お墓を建てる土地を使用する権利「永代使用料」を支払います。これは、土地を使用する権利を得ることで、お墓の土地を購入することではありません。つまり借地ということです。
「永代使用」はお墓を建てる場所を使用する権利を永代に得ることを意味しますので、「永代供養」と意味を混同しないようにしてください。

③永代供養墓の購入費用と年間管理費
永代供養墓は小規模スペースのため単独墓に比べると購入価格は安くなっています。管理費では初回1回のみの形態と、毎年一定額の規定管理費がかかる形態があります。本来的な意味では、個々の墓が占有スペースのある永代使用権方式であれば毎年の管理費がかかりますが、永代使用権の無い合同スペースの永代供養式であれば初回のみの費用で済むはずですが確認する必要があります。また年間管理費がかかる場合、管理費が支払われなくなるとどうなるのかもチェックしなければなりません。

例)
・納骨堂  *永代使用とは、前述の(2)の②のことです。

寺院名所在地形態購入価格年間管理費
瑠璃光院・白蓮華堂東京・新宿 ・永代使用家族墓・永代使用個人墓(1人用)・個人墓(管理費不要タイプ)200万円 100万円 100万円2万円 1万2千円 なし
築地本願寺東京・築地・永代使用(個別保管32年まで)・永代使用(個別保管6年まで)・永代使用(合同区画)100万円~ 50万円~ 30万円~なし なし なし
威徳寺・赤坂一ツ木陵園東京・赤坂永代使用1基94万円1万⒍千円
高野山・金剛峯寺和歌山・高野町・合葬墓1基30万円なし

・樹木葬

寺院名所在地形態購入価格年間管理費
釜寺・東運寺東京・方南町永代使用(1区画4名まで埋葬可)48万円~10,000円
常在寺・世田谷やすらぎ墓苑 東京・世田谷区1名埋葬38万円生前のみ1家族 12,000円
都立小平霊園 東京・小平市樹林墓地 樹木墓地1体123,000円、粉骨1体41,000円。 1体183,000円なし なし

注)小平霊園の形態
樹林墓地
樹林墓地は、共同の埋蔵施設があり、遺骨は他の人の遺骨と一緒に合祀されます。遺骨は納骨袋に入れて埋蔵します。遺骨を火葬されたままの状態で埋蔵するか、あるいは粉骨するかは、遺族の希望により選ぶことができます。
・樹木墓地
樹木墓地は樹木の周りに遺骨を1体ずつ個別に埋蔵されます。

3.永代供養墓は今後どうなっていくのか?

(1) お墓の承継者問題

少子化傾向・都市化傾向で、家のお墓、個人のお墓とも承継者がいなくなる問題は今後も続くでしょう。永代供養墓は今後さらに都市部では拡大するでしょう。

(2) 合祀墓への抵抗感は?

永代供養を取り入れたとしても現状は合祀墓への抵抗感があるように見受けられます。そのため、納骨堂の合同区画や集合スペースでも遺骨を個別の袋に入れて収蔵したり、土に還る樹木葬でも同様に個別の袋に入れたりする方式が一部営業されています。他の人の骨と一緒になる抵抗感があるとの事業者側の判断でしょう。都市部では人気の高まる樹木葬ですが今後の形態の動向が注目されます。

4.永代供養墓の準備

(1) 家族の話し合い

お墓のあり方、承継について配偶者、子供との考え方の一致が必要で、話し合いをすることが大切です。特に合祀墓では、個別の遺骨を取り出せなくなりますので考え方の一致が必要です。

(2) お墓の生前準備

生前墓として親世代が購入するケースが見受けられます。子供に迷惑をかけたくないという親の配慮です。その際は期限や年間管理費についても確認することが必要です。死後の年間管理費がかからない形態への関心も高いです。

(3) お墓の引越しをする場合の対策

改葬、お墓の移転については、現在のお墓の寺院との折衝が必要になってきます。また、撤去に費用も掛かり、役所への手続きも必要になってきます。

(4) 単身高齢者の生前墓の用意

独身高齢単身者などの家族のいない人は、自分のお墓の承継者はいないため合葬・合祀墓を準備する必要があります。また、葬儀の準備も必要です。地方自治体やNPO団体、弁護士などに、生前に本人から葬儀・納骨の費用を預け死後の事務代行を依頼する必要があります。ただし、地方自治体では死後の事務委託を行っている場合が都市部にはありますがまだ一部です。独身高齢単身者などは、自分の終活をしていないと周囲の人に迷惑をかけることになります。

5.まとめと注意点:永代供養墓を考えている方へ

(1) 永代供養墓の形態と契約内容を確認すること

①期限
集合墓の場合は当初個別の納骨スペースを設けられる場合が多いと思いますが、その場合の期限を確認することが重要です。7回忌までとし6年間の保管や、33回忌までとし32年間の保管を行うなどの形態があります。また、その後の合同墓合祀墓の形態も確認することが必要です。

②遺骨の扱い
合祀でも遺骨を他の人と一緒に混ぜる場合と個別の袋に入れ管理する場合とがあります。

③年間管理費
年間管理費の内容は、清掃費、修繕費、水光熱費、関連人件費などです。費用は1回だけなのか、継続的に年間管理費がかかるのかの確認と、年間管理費がかかる場合承継者がいなくなり、管理費が支払えなくなった場合どうなるかを確認しておく必要があります。

④宗教、宗派の問題
公的霊園などでは宗教宗派は問われませんが、寺院が運営主体のお墓では、従来の宗旨・宗派は問われない形態が多くありますが、「伝統仏教に限る」などの但し書きがある場合もあります。他宗教やいわゆる新興宗教の信者の人は入れない設定です。基本的には民間墓地では宗教別にカトリックならカトリック墓地があると思います。問題は宗教が個人の信念に関わっているため家族が同一ではない場合です。
また、仏教寺院ではお墓に入るまでの宗派は問わないとされていますが、お墓に入るには寺院の檀家になることが要件とされる場合があります。檀家とは、江戸時代以降に設けられた制度で、個人が近隣の寺院に永代供養を頼み、寺院の維持にお布施の協力をする形態です。従来の宗派と異なる場合は宗旨替えが要求されることになります。また、檀家に入るには入檀料を納めることが要求される場合があります。

(2) 納骨堂、樹木葬などの選択

①納骨堂
納骨堂は仏教寺院墓地だけでなくキリスト教会墓地などにもあり、宗教施設内の屋内・地下スペースの中の、個別に区切られたスペースを使用し骨壺を納骨したものです。スペース形態からロッカー式、仏壇式などがあり、機械的システムの形態から自動搬送式などがあります。

②樹木葬
墓地の中の植栽された樹木スペ-スや自然林の樹木の下に遺骨を粉末状にして地面に埋葬方法で、土に還る形で埋葬されます。他の人の遺骨と一緒に合葬される形が基本ですが、地面を区切り合葬されない形で墓碑を作る方式もあります。年間管理費は不要が原則です。
東京都の公営霊園で樹木葬があるのは小平霊園など6霊園です。

(3) お墓の費用の目安

①墓地・霊園永代使用料
単独墓の場合、面積が1㎡程度の区画の場合、10万円~150万円程度ですが、土地代を反映するため東京23区では、面積によりますが100万円~200万円 程度まで上がります。
なお、永代使用料とは、墓地・霊園の墓地の利用権であり、基本的に子孫などの継承者がいる限り無期限で使用できるものです。他人に譲渡転売することはできません。継承者がいなくなり管理費が払われなくなると無縁墓となり使用できなくなります。

②墓地・霊園墓石料
単独墓では、墓石の規模、石材の種類、彫刻の字数などにより異なります。全国平均で120万円~175万円ほどです。永代使用料と墓石代を含めた合計額の標準は200万円台です。都市部や立地の良い場所ほど値段が高く、有名寺院は格式から値段が高くなります。当然面積の大きな墓地は高くなります。

③墓地・霊園管理費
年間公営の安いところであれば2千円程度からです。寺院・民間霊園では1・2万円台が多くあります。

④納骨堂
価格は1基(1人分)30万円~90万円程度で、平均50万円です。複数人入れる家族方式になると価格もアップし100万円以上のものもあります。

⑤合葬・合祀墓
10万円以上です。合葬・合祀墓は墓地の運営者によって管理されます。宗教宗派によっては聖職者だけでなく信徒による祈りがあり供養されている場合があります。また独身女性専用墓もあり同様の環境の後輩女性によって祈りがあると考えられます。

⑥樹木葬
5万円~80万円程度で標準は20万円台です。人気の場所では倍率が高い場合もあります。

そこで最後に

●「失敗しない永代供養」の極意3ヵ条!

(1) 「永代」とは永遠を意味するものではなく、ほとんどの場合期限があり、その期限を確認すること。
(2) 永代供養墓における、納骨堂・樹木葬などの形態と、集合墓・合祀墓の遺骨収蔵形態の特徴を理解すること。
(3) 納骨堂、樹木葬でも入れる人数の制限があること及び年間管理費がかかる場合が多いことを理解すること。

頭の片隅に入れておいてください。