最近話題のジェネリック医薬品とは?ジェネリック医薬品の特徴や安全性について徹底解説!

はじめに

調剤薬局に行くと、「ジェネリック医薬品を希望されますか?」と聞かれることがよくありますね。
こう聞かれたとき、あなたはどう答えていますか?
ジェネリック医薬品は「後発医薬品」と呼ばれ、メリットが少なくありません。「ジェネリック医薬品」は「先発医薬品」とどう違うのか、どんな特徴があるのか、処方してもらうにはどうすれば良いのかなど、ジェネリック医薬品について知っておきたい基礎知識について、わかりやすく解説します。

ジェネリック医薬品とは

最近話題のジェネリック医薬品とは?ジェネリック医薬品の特徴や安全性について徹底解説!
医薬品には、一般の薬局・薬店で販売されている「一般用医薬品」と、医療機関で診察を受けたときに医師から処方される「医療用医薬品」があります。
さらに、「医療用医薬品」には、新しく開発・販売される「先発医薬品(新薬)」と、先発医薬品の特許が切れたあとに先発医薬品と同じ有効成分を同量含んで、ほかの医薬品メーカーにより製造・販売される「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」があります。

先発医薬品を開発した医薬品メーカーには、その新薬を独占的に販売できる特許期間(20~25年)がありますが、その期間が終了すると、新薬に使われた有効成分や製法などは国民共有の財産になります。そして、厳しい試験に合格し、厚生労働大臣の承認を得られれば、ほかの複数の医薬品メーカーでも「ジェネリック医薬品」として製造・販売が可能になるのです。
後発医薬品は、欧米では一般名(generic name)で処方することが多いので、「ジェネリック医薬品」と呼んでいて、この名称が日本でも定着しています。

ジェネリック医薬品の3つの特徴

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「ジェネリック医薬品」の特徴としては、3点挙げられます。
①低価格、②利便性を考慮した改良、③わかりやすい名前の3つで、以下それぞれについて説明します。

ジェネリック医薬品は低価格

「先発医薬品」の研究開発には、10年以上の長い歳月と、数百億円から数千億円をと言われる莫大な投資費用が必要で、それはコストとして薬の値段に反映されています。
それに比べて「ジェネリック医薬品」の場合、既に有効性や安全性については先発医薬品で確認されていることから、開発期間やコストを大幅に抑えられます。その結果、薬の値段も先発医薬品と比べて3~5割程度、中にはそれ以上安く設定することができます。

慢性的な病気で薬を長期間服用する場合などは、患者にとって、ジェネリック医薬品を使用することにより薬代の大幅な削減につながります。

利便性を考慮して改良

「ジェネリック医薬品」には、「先発医薬品」と形や大きさが違うものもあります。
これは、先発医薬品が発売されてからジェネリック医薬品が発売されるまでの期間に、製造技術の進歩や、さらには飲みやすさなどを考えて製薬企業が製剤過程で改良を加えることがあるからです。形や大きさのほか、味や香りなどが異なる場合がありますが、効き目は変わりません。

ジェネリック医薬品の改良例

たとえば、「ジェネリック医薬品」には、次のような改良がおこなわれることがあります。
・錠剤やカプセルなどの小型化で飲みやすくする。
・2ミリ、4ミリ、6ミリなど、含量のバリエーションを増やす。
・錠剤をのみ込みにくい人のためにゼリー状や液状に、また、OD錠(口腔内崩壊錠)といって、お菓子のラムネのように唾液で速やかに溶けて服用できる錠剤にする。
・味やにおいを工夫する。
・誤飲防止のために、薬自体に印字するなど文字や色で工夫する。
・取り出しやすい薬のシートにする。
・湿気や光に弱いなどの品質面を改善し、保存性の向上を図る。

一般的に、「ジェネリック医薬品」は患者にやさしい製剤工夫が施されていると言えるでしょう。

わかりやすい名前

2018年度の診療報酬改定で、「ジェネリック医薬品」を使用推進する観点から、原則一般名で処方することが推奨されました。
2020年から多くの病院やクリニックで、一般名が使われるようになっています。

これまでの処方せんの記載方法は、「製薬会社が独自につけた薬の名前(商品名)」と「成分名に製造会社名を付加した名称(ジェネリック医薬品)」で、複雑でした。一般名での処方では、商品名や製造会社名を指定せず、「薬の有効成分の名前(一般名)」のみで処方するので、シンプルでわかりやすくなりました。

処方せんに記載されている【般】の文字がついた薬が「一般名処方薬」です。患者は、調剤薬局で先発医薬品またはジェネリック医薬品を選択できます。

効き目や安全性は大丈夫?

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安価な「ジェネリック医薬品」は、本当に効き目はあるのか、安全性は大丈夫なのだろうかと、心配する人もいるかもしれません。
ジェネリック医薬品が低価格なのは、開発費が少なくて済むからです。

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を同じ量含有し、品質・効き目・安全性も同等ですから、安心して服用していただけます。
有効成分以外の添加剤が異なる場合がありますが、添加剤自体は人に対して薬理作用がなく、安全性も確認されたものだけを使用しています。

厳しい品質基準

「ジェネリック医薬品」は、国が定めた医療用医薬品に求められる厳しい品質基準により承認されています。
また、法律にしたがって「先発医薬品」と同様に、製造管理や品質管理が厳しくチェックされています。

さらに、既に販売されているジェネリック医薬品についても、信頼性の向上の観点から、都道府県などの協力を得て検査が実施され、検査結果を公表しています。
品質に対する懸念を示す学会発表などに基づいて、国立医薬品食品衛生研究所を中心に試験検査を実施し、結果の概要及び品質に関する情報を体系的にとりまとめた医療用医薬品最新品質情報集(通称:ブルーブック)についても公表しています。

多くの患者による使用で安全性確認

「ジェネリック医薬品」は、「先発医薬品」の特許期間が終了したのちに発売されるので、その間に多くの患者が使用し、その効き目と安全性が十分に確認されている薬と言えます。

なお、薬の効能効果、飲みあわせ、飲み方・使い方、薬に関する心配ごとなどがあれば、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の「くすり相談窓口」に問い合わせてください。専任の相談員が丁寧に答えてくれるので、気軽に相談するのが良いでしょう。

処方せんではどう記載?

前述したように、処方せんに記載されている【般】の文字がついた薬が「一般名処方薬」です。
患者は、調剤薬局で「先発医薬品」または「ジェネリック医薬品」を選択できます。
ただし 医師が商品名を指定して処方する場合やジェネリック医薬品が存在しない薬については当てはまりません。

「ジェネリック医薬品」を処方してもらうには?

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「ジェネリック医薬品」は、医師の処方せんにしたがって医療機関や保険薬局で調剤される薬です。市販薬のように自分で購入することはできません。

病院や診療所で薬をもらう場合は、受診した際に、ジェネリック医薬品を希望していることを医師に伝えましょう。受付の際、診察券と一緒に、「ジェネリック医薬品希望カード」や「ジェネリック医薬品希望シール(おくすり手帳や保険証に貼りつけられます)」を提示して相談するのも良いでしょう。

保険薬局で調剤してもらう場合は、処方せんを出すときに「ジェネリックで」と伝えましょう。初めて訪問した薬局であれば、初回のアンケートで「ジェネリック希望」の欄にチェックを入れておくのも有効です。

変更可能な場合も

処方せんに記載されているのが「先発医薬品」の名称であっても、「変更不可」の欄にチェックがなければ、薬剤師と相談のうえで「ジェネリック医薬品」を選ぶことができます。
処方せんに、医薬品の商品名ではなく成分名が記載されている場合(一般名処方)も、同様に可能です。
とはいえ、すべての医薬品にジェネリック医薬品があるわけではありませんので、その点は理解しておきましょう。

医師が「先発医薬品」を指定する場合

「ジェネリック医薬品」のなかには、主成分以外のその他の成分が、「先発医薬品」と若干違う薬があります。
その場合、医師によっては「先発医薬品」を指定することもあります。その際は、医師と相談してみてください。

まとめ

「ジェネリック医薬品」は、欧米では広く普及しており、その数量シェアは、アメリカでは90%以上、ヨーロッパでも60~80%になっています。日本における数量シェアも年々拡大し、2021年には80%を超えました。
ところが、地域によってバラつきがあるため、政府は、ジェネリック医薬品の数量シェアを「2023年度末までに全ての都道府県で80%以上とする」との目標を確認。ジェネリック医薬品の使用促進に力を入れています。

なお、近年一部の後発品メーカーの不祥事によって、後発品への信頼低下が懸念されており、政府からは「ジェネリック医薬品の信頼回復に向けて、業界の再編を検討する必要性もある」と異例の踏み込んだ発言もありました。

自己負担分を除いた薬代は、私たちの保険料と税金で運営されている公的医療保険から支払われています。薬代の削減は医療保険の支払い額を抑え、それに投入される保険料や税金の負担減にもつながります。
ジェネリック医薬品の普及は、高齢化が進む国の財政負担削減に貢献することにもなる点をしっかりおさえておきましょう。