近親者の死後に必要な手続きとは?各手続きの内容や用意する書類について徹底解説!

はじめに

身近な人を亡くして深い悲しみの中にあっても、残された家族にはやらなければならないことがたくさんあります。まずは葬儀の準備を考えなければなりませんが、葬儀後も、保険、年金、相続などに関する必要な手続きが多岐にわたります。
そのほとんどは、通常あまりなじみのない手続きなので、何から始めたらよいのか、戸惑うことも多いかもしれません。葬儀をおこなう際に必要な準備を中心に、葬儀後に必要となる主な手続きについて、わかりやすく解説します。

葬儀までに必要な書類は何か

近親者の死後に必要な手続きとは?各手続きの内容や用意する書類について徹底解説!
まずは葬儀までに必要な書類をそろえることを考えましょう。
「死亡診断書」、「死亡届」、「埋火葬許可証」が必要です。それぞれについて順を追って説明します。

「死亡診断書」を受け取る

死亡届を提出するためにまず必要なのが、「死亡診断書」です。
死亡診断書は、臨終に立ち会った医師が書きます。治療中または入院中の病院や、かかりつけの医師などから発行されるものです。
自宅も含めて病院以外で亡くなった場合、たとえば事故などでの突発的な死や不審死などの場合は、「死体検案書」が発行されます。
死亡診断書は、生命保険の請求にも必要になる場合が多いので、コピーを取っておきましょう。

「死亡届」を役所に提出する

「死亡届」は、死亡の事実を知った日から7日以内(国外の場合は3か月以内)に市区町村の戸籍係などの窓口に提出します。
多くの場合葬儀や火葬をおこなうため、1~2日以内に届け出をする必要があります。

届け出ができるのは、死亡地、死亡者の本籍地、届け出人の所在地(住所地)のいずれかの役所です。死亡者の所在地(住所地)は該当しないので注意しましょう。土日・祝日も含め24時間365日受け付けています。
「死亡届」の届け出用紙は、「死亡診断書」と一体になっています。役所で入手または役所のホームページからダウンロードもできます。
死亡届が提出できる届出人は、原則として親族や同居者のみです。ただし、届出人以外が窓口に持参することは可能で、葬儀社に代行を依頼できます。

「死亡診断書」と「死亡届」はコピーを取る

「死亡診断書」と「死亡届」は、届け出を終えると、原本は手元に戻ってきません。
「死亡届」は、「死亡診断書」と同様、生命保険の請求などにも添付書類として必要な場合が多いので、届け出前にコピーを取っておきましょう。

「死亡届」を提出しないとどうなる?

近親者の死後に必要な手続きとは?各手続きの内容や用意する書類について徹底解説!
「死亡届」は、故人の死亡を公的に証明する書類です。死亡届の提出を期限内に終えていないと、そのあとさまざまな不都合が生じるので、注意しましょう。
代表的な不都合例は以下の5つです。
①火葬・埋葬ができない
②年金受給停止手続きがおこなえず、罰金が生じる可能性がある
③介護保険喪失届を提出できない
④住民票を抹消することができない
⑤世帯主の変更ができない

「死体埋火葬許可証」の交付を受ける

近親者の死後に必要な手続きとは?各手続きの内容や用意する書類について徹底解説!
死亡後は、葬儀をおこなって火葬から埋葬へという流れになります。
「死亡届」と「死亡診断書」を役所に提出する際、「死体火葬・埋葬許可交付申請書」を同時に提出します。書類は窓口に備えられていることが多く、記載も簡単なので、その場で記入できます。「死亡届」と同様、葬儀社の代理申請が可能です。
その申請によって埋火葬の許可証が交付されますが、多くの自治体は「死体埋火葬許可証」として発行しています。つまり、火葬(一部の地域では土葬)と埋葬のいずれをも許可する証明になります。

火葬後、「火葬執行済」の「埋火葬許可証」を受け取る

火葬場で遺体を荼毘(だび)にふす際には、「埋火葬許可証」を提出します。この書類がないと、火葬はできません。
火葬が終わり、遺骨を骨壺に納める骨あげがおこなわれると、「火葬執行済」の印が押された「埋火葬許可証」が遺族に返却されます。
火葬執行証明済みの許可証は、「埋葬許可証」として、墓などに納骨する際に必要になります。念のためコピーを取って、納骨するまで、遺骨とともに大切に保管しておきましょう。万が一紛失してしまった場合は、5年以内であれば、役所で再発行してもらえます。

2か所以上に遺骨の埋葬を考えている場合、その数だけ「埋葬許可証」が必要になります。火
葬する時点で分骨を決めている場合は、あらかじめ火葬場に申し出て、必要な枚数分、書類(書式は「分骨証明書」になることもあります)を発行してもらうと良いです。

死亡後14日以内に必要な手続き

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故人が亡くなったあと、14日以内に必要な手続きを説明します。

年金受給停止の手続き

故人が年金受給者だった場合、厚生年金受給者ならば死亡後10日以内、国民年金受給者は14日以内に、年金の受給停止手続きをおこなわなければなりません。
この手続きをおこなわずに年金を受給し続けると、年金法によって罰金が課せられる可能性が生じます。悪質であると判断された場合には、年金の不正受給とみなされて、受給分の一括返還を求められ、詐欺罪として刑罰が下ることもあります。
もし未支給分の年金があっても受け取れなかったり、遺族年金を受け取れなくなったり、多くの問題が出てきます。

受給停止には、「年金受給権者死亡届(報告書)」、未支給年金の受給には、併せて「未支給【年金・保険給付】請求書」が必要となります。
両書式とも、年金事務所や年金相談センターの窓口、または日本年金機構のホームページから入手できます。提出先は、年金事務所もしくは年金相談センターです。

介護保険資格喪失届の提出

故人が介護保険の第1号被保険者または第2号被保険者(40~64歳)だった場合、死亡後14日以内に介護保険の 資格喪失届を提出しなければなりません。
この手続きをおこなわないと、過納分の保険料の還付を受けられない、未納分の支払いができないなどの不都合が生じます。
市区町村の福祉課などの窓口に、介護保険証とともに提出します。

健康保険の資格喪失届の提出

国民健康保険であれば、自治体によっては「死亡届」と同時に資格喪失の手続きがおこなわれるところもあり、すべての健康保険で資格喪失届の提出が必要というわけではありません。詳しくは、役所の年金保険課に問い合わせてください。
また、それ以外であれば、健康保険組合に資格喪失届を提出します。書式は組合の窓口や郵送で入手できます。公式サイトでダウンロードできるところもあります。

世帯主の変更届

故人の住民票は、「死亡届」を提出すると同時に役所が削除するので、実際には手続きは不要です。もちろん、死亡届を提出しなければ、住民票を抹消することができません。
故人が世帯主であった場合は、住民票上の「世帯主変更届」を、死亡後14日以内に提出しなければなりません。提出期限を過ぎると過料が課せられるので注意が必要です。
提出先は、市区町村の戸籍・住民登録窓口で、届出人の印鑑と本人確認できる証明書が必要です。

納骨

近親者の死後に必要な手続きとは?各手続きの内容や用意する書類について徹底解説!
一般的に納骨は、49日の忌明けの法要と合わせておこないます。ただし、納骨のタイミングは、49日法要と同時でなくても問題ありません。
納骨するにはお墓の準備も必要になるので、忌明けまでに整わない場合は、1周忌や3回忌などの年忌法要のときにおこなうと良いでしょう。

納骨の日取りは、付き合いのある菩提寺(ぼだいじ)と相談して決めます。日取りが決まったら石材屋に連絡して、墓石の下にある、遺骨を納めるカロートを開けてもらうなどの作業を依頼します。
故人の名前や墓誌を彫刻してもらう必要があれば、あわせて依頼します。
納骨の際には、「火葬執行済」の印が押された「埋葬許可証」のほか、墓地の使用許可証、印鑑などが必要になります。それらをそろえて、納骨する墓地や霊園に提出します。

そのほかの手続きについて

近親者の死後に必要な手続きとは?各手続きの内容や用意する書類について徹底解説!
葬儀の後、できるだけ早めに手続きしたほうが良いものを以下に紹介します。特に、相続関連は重要です。

死亡後すぐに手続きが必要

・雇用保険受給資格者証の返還(故人が死亡時に雇用保険を受給していた場合)
・所得税の準確定申告と納税(源泉徴収をしている会社員などは不要)
・相続の放棄
・相続税の申告と納税

死亡後2年以内に手続きが必要

・国民年金の死亡一時金請求
・国民健康保険加入者の葬祭費請求(葬儀をした日から2年以内)
・厚生年金加入者の埋葬料請求
・共済年金加入者の埋葬料請求
・労災保険の埋葬料請求(葬儀をした日から2年以内、業務上の死亡の場合に限る)
・高額医療費の払い戻し請求(対象となる医療費の支払いから2年以内)
・国民年金の寡婦年金請求(死亡日ら2年以内)

死亡後3年以内に手続きが必要

・生命保険の死亡金請求

死亡後5年以内に手続きが必要

・国民年金の遺族基礎年金請求
・厚生年金の遺族厚生年金請求
・労災保険の遺族補償給付請求

まとめ

葬儀までにやらなければならないことや手続きの解説を中心に、さらに葬儀後に必要となる主な手続きまでご紹介しました。葬儀が終わった後も、息つく暇もないほどさまざまな手続きが求められていることがおわかりになったでしょうか。
葬儀社がサポートしてくれることも多いので、よくわからない手続きについては相談してみることをおすすめします。
近親者に最期のときが近づいていたら、ここに掲げた項目をまとめたチェックリストを事前に作成しておくと、安心です。