大都市圏で増えるイブニング葬とは?イブニング葬のメリットや注意点について徹底解説!

はじめに

ライフスタイルや家族のカタチが多様化して、葬儀においても新しいスタイルが生まれ、選択肢が増えています。そのひとつが、夕方から夜間にかけて執りおこなわれる「イブニング葬」です。大都市圏で増えているイブニング葬について、その背景や特徴、メリットや注意するポイントなどをわかりやすく説明します。

イブニング葬とは

大都市圏で増えるイブニング葬とは?イブニング葬のメリットや注意点について徹底解説!
イブニング葬は、「夜の1日葬」とも呼ばれています。お通夜をせずに、葬儀・告別式と火葬をおこなう葬儀形態です。
イブニング葬では、18時前後から葬儀・告別式が始まります。終了時間が遅いため、火葬は翌日になります。

イブニング葬の開始時間

イブニング葬と一般的な葬儀の大きな違いは、開始時間です。
前日に通夜のある一般的な葬儀の場合、開始時間は、朝の10時から昼過ぎの13時の間です。これは、火葬場の営業が10時から15時だからです。通常、葬儀や告別式の後に火葬するため、火葬場が開いている15時までにすべてが終了するように組み立てる必要があります。そのため、葬儀・告別式の時間帯は午前中から昼過ぎが多くなっています。
それに対してイブニング葬では、18時前後から葬儀・告別式が始まります。これがイブニング葬の特徴でもあります。

近年注目の直葬火葬式

葬儀の新しいスタイルとして、イブニング葬と並んで近年注目されているのが、火葬だけを執りおこなう「直葬(ちょくそう)火葬式」です。
読経供養などの宗教儀式は一切おこなわず、家族だけでしめやかに弔うシンプルな葬送スタイルです。式場や祭壇が必要ないので、費用を安く抑えることができます。現在では葬儀全体の約2割が直葬とされていて、この割合は都市部ほど高く、25%近くを占めています。

イブニング葬の流れ

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火葬のみで済ます直葬では、故人と対面してお別れをする時間が限られており、あまりにも寂しいという声がありました。そこで、せめて火葬の前日にお別れ会をとの発想から生まれたのが、イブニング葬の形式と考えられています。

イブニング葬では通夜はありません。1日目に夜の葬儀、2日目に出棺・火葬がおこなわれ、2日間ですべてが終わります。
1日目は、通常通夜が始まる時間から葬儀・告別式をおこなって、参列者は故人と対面。お別れ花を入れて別れを告げ、2日目午前中に身内のみで出棺・火葬をおこないます。
イブニング葬は、神式やキリスト教式など仏式以外の宗教や無宗教スタイルでも可能です。夕食の時間帯と重なるので、会食をメインにするスタイルもあります。

イブニング葬が増えている背景

大都市圏で増えるイブニング葬とは?イブニング葬のメリットや注意点について徹底解説!
主に大都市圏でイブニング葬が増えている背景には、どんな理由が考えられるのでしょうか? 
ライフスタイルの変化、夜に葬儀ができる環境の整備、火葬場の事情の3つの観点から説明します。

現代人のライフスタイルの変化

忙しい毎日を送っている現代人には、昼間の葬儀に参列できない人も少なくありません。規模にもよりますが、通常葬儀から会食まで数時間かかるこれまでの一般的なスタイルは、スピーディーな日常生活のリズムとはかけ離れているといえます。
核家族化が進み、共働きが当たり前になった時代、葬儀の準備から故人の各種行政手続きまで、遺族は人手が足りなくて大変です。一方で、ご縁があるのは親族に限らず、仕事や趣味、SNSなどで親しくつながりを持つ友人・知人が増えています。故人と本当にお別れをしたい人たちに集まってもらいたいという思いから、イブニング葬が提案されたのです。

夜に葬儀ができる環境の整備

そもそも夜間に葬儀・告別式を執りおこなってはいけないという決まりはありません。忙しい現代人は、夜間の時間帯のほうがプライベートな時間を確保しやすい傾向にあります。
これまで夜に葬儀を執りおこなう葬儀社がなかったのですが、消費者の要望から徐々にイブニング葬の環境が整備されてきました。

火葬場の事情

現在1年間の死亡者数は約120万人といわれています。高齢社会の進展で、10年前と比較して約30万人増えていて、2038年には170万人になるとの試算があります。
日本の場合、99%は火葬です。つまり、死亡者数がほぼイコールで火葬場を利用する人数といってよさそうです。
ところが、首都圏では死亡者数に対して火葬場が不足している状況が続いています。自治体は火葬場不足解消のために建設に取り組んでいますが、地権者や近隣住民の反対などでなかなか進まないのが現実です。

特に東京エリアでの火葬場不足は深刻で、葬儀まで1週間、中には10日以上も待たされる事態が頻繁に起きています。以前は休みだった友引にも営業していますが、それでもまだ火葬場の予約は取りにくい状況が続いています。新型コロナウイルスの影響もあるようです。
火葬場の予約が取りにくいのは、火葬時間のピークがお昼の時間帯に集中していることとも関係しています。イブニング葬であれば、前夜に葬儀を終えているため、予約が取りやすい朝の早い時間帯に火葬が可能になります。

イブニング葬のメリットとは

大都市圏で増えるイブニング葬とは?イブニング葬のメリットや注意点について徹底解説!
新しい葬儀のスタイルであるイブニング葬には、数々のメリットがあります。
参列してもらいやすい、火葬場の予約を取りやすい、葬儀ラッシュを避けられる、遺族の負担が少ない、などが考えられます。それぞれについて説明します。

参列してもらいやすい

イブニング葬は、通常通夜である夜の時間に執りおこなわれるので、働いている人にも参列してもらいやすい点がまずはメリットとして挙げられます。
また、火葬は翌日なので、比較的ゆっくりお別れができます。お花入れまでできるので、参列者にとっても故人とのお別れに後悔が残らない形式といえます。

火葬場の予約を取りやすい

前述の「火葬場の事情」で詳しく書いたように、特に首都圏では火葬場の予約が困難になっています。
イブニング葬では比較的空いている午前中の早い時間帯に火葬をおこなえるのが、大きなメリットです。

葬儀ラッシュを避けられる

18時前後から始まるイブニング葬は、一般的な葬儀とは時間帯がずれます。火葬場や斎場が少ない地域でも、葬儀ラッシュを避けられる点もメリットです。

遺族の時間的負担が少ない

イブニング葬はお通夜がなく、1日で葬儀を終えるので、遺族の時間的負担が少ないというメリットがあります。1日目は夜の葬儀・告別式、2日目は朝に身内のみで出棺・火葬なので、拘束時間が短く、現代人のライフスタイルに合っています。

イブニング葬で注意したいポイント

大都市圏で増えるイブニング葬とは?イブニング葬のメリットや注意点について徹底解説!
イブニング葬には数々のメリットがある反面、注意したいポイントもあります。参列者の側、宗教関係者の側、親族の側からみた注意点をそれぞれ挙げてみます。

参列者が戸惑う可能性

夕方から夜にかけて執りおこなわれるイブニング葬は初めてという参列者が多いはずです。
葬儀の案内状のほかに、事前に式の詳しいスケジュールなどを渡して、参列者の理解を得ることが重要です。

宗教関係者への配慮

菩提寺をはじめお墓がある場合は、特に宗教関係者に配慮して、イブニング葬に対する理解を得ておく必要があります。宗教関係者はお通夜を経験しているので、イブニング葬に対応できないわけではありません。事前にしっかり説明しておきましょう。

葬儀の時間が短いと気にする親族も

イブニング葬は通夜が省略されるので、一般的な葬儀よりも時間が短く感じられるかもしれません。従来の葬儀に慣れている親族から、不満の声が上がる可能性があります。
新しいスタイルのイブニング葬について理解してもらえるように努めることです。

まとめ

イブニング葬は、現代人のライフスタイルに合わせた新しい葬儀です。参列者の忙しい日常や火葬場の事情などを考慮した葬儀のひとつの形態で、今後も首都圏を中心にその数は増えていくでしょう。
新しい試みゆえに、参列者や宗教関係者、親族などの周囲に対して、誤解のないように丁寧な説明が求められます。