早期リタイア「FIRE」を目指す人が急増中!実現するためには何が必要?

はじめに

近年、日本の厳しい経済状況を受けて、企業で長く働くことに固執しない「FIRE」というムーブメントが人気になりつつあります。
そこで今回は、FIREの本質や現実的な実践方法などについて解説していきます。

FIREとは?

早期リタイア「FIRE」を目指す人が急増中!実現するためには何が必要?
FIREとはFinancial Independence(経済的自立)と Retire Early(早期退職)の頭文字を取り、FIREと呼ばれています。
簡単に言えば「個人が会社に依存せず経済的に自立するため、早期のリタイヤを目指す」ライフプランを指します。

この考えを裏返すと、会社で出世することで給料を増やすという、旧来の価値観が瓦解しつつあると言えます。
実際に、日本経済は20年以上前から停滞し続け、実質賃金も下がりつつけているため、旧来のような順風満帆なライフプランを立てることは難しいです。

国民年金についても、支給額は年々減り続け、支給年齢も引き上げられているのに、負担料は増えているため、国や政治に希望を持つ人
つまり、若者の立場から言えば、高齢になって年金で安楽に暮らせる保証は、もうどこにもないのです。
また、日本の厳しい経済状況は、企業収益や雇用環境にも大きく反映し、いまやリストラは、どの会社でも普通に行なわれ「自分はこの会社で何時まで働けるのか?」という、中長期的な見通しすら立たなくなっています。
だからこそジリ貧の会社生活に見切りを付け「自分で自分の人生を切り拓こう」とするFIREが台頭したのであり、若者個人としてはむしろその方が、幸せになれる確率が高いとも言えます。

FIREの具体的な実践方法は会社に所属しつつも、出世などは望まず、節約をして積極的な資産運用を行い、できる限り貯蓄を増やす努力をします。
そして貯蓄が一定額以上になったら早期退職し、あとは資産運用などで、経済的に自立するというやり方です。
いまやFIREは日本のみならず、世界中の先進国で、静かなムーブメントになりつつあります。

FIREと早期退職の違い

FIREと早期退職は、退職したあとの老後資金の考え方に、根本的な違いがあります。
例えば、会社都合のリストラで早期退職した人は、退職金の割増分を貰い、それに公的年金や自分自身の貯蓄を足し、これらの元手を切り崩しながら、老後生活を送ります。
しかし、早期退職までに十分な貯蓄ができなかった人は、長生きしたり大病をすると老後資金が足りなくなり、経済的に困窮した生活に陥る可能性があります。

これに対し、FIREを志す人は若い頃から経済的な自立に向け、積極的な節約と貯蓄、資金運用を行います。
そして早期退職したあとも貯蓄を投資に回して運用し、常に元手を減らさないよう努力し、自分が何歳になっても問題なく生活できるように、あらかじめ備えます。

FIREに憧れる人が増えている理由

早期リタイア「FIRE」を目指す人が急増中!実現するためには何が必要?
先にご紹介した通り、日本の厳しい経済状況や先の見えない雇用環境は、FIRE拡大の大きな引き金になっています。
そこでこの章では、若年層がFIREに憧れる代表的な理由を2つご紹介します。

会社にとらわれずに自由に働きたい

会社に雇われて働くという行為は、ある意味で、自分自身の時間を「切り売り」するのと同じです。
さらにいまの仕事が「いやでいやでしょうがない」などという場合は、その会社に居続けること自体が、不幸そのものとなるでしょう。

つまり「会社では自分の思い通りに生きられない」「会社員として定年を迎えるまで働き続けることが、果たして個人として本当に幸せなのかどうか?」
FIREのムーブメントは、これらのことを自分自身や社会に、問いかける行為でもあります。
「社会の常識にとらわれず、自分らしく生きたい。これを実現するために貯蓄をして早期に会社を退職する。この方が個人として効率的で前向きな生き方ではないか?」
このようなある意味では従来の考え方とは違う、新しい思想的な概念が、いまFIREの広がりに拍車を掛けています。

悠々自適な生活を送りたい

「悠々自適」とは、心のおもむくまま、ゆったりとした生活を送ることです。
しかし、いまの日本で会社に雇われたまま、悠々自適な毎日を送れる人は、いったい何人居るでしょうか?
大企業の役員クラスならば実現できるかも知れませんが、それ以下のクラスでは、ほぼ無理な状態であることは、社会人なら誰でも分かることです。
つまり、会社で出世しても報われない日本社会だからこそ、自分自身で悠々自適をつかみ取ろうと、FIREに動く人が多くなったとも言えます。

FIREには年間支出の25倍の資金が必要?

早期リタイア「FIRE」を目指す人が急増中!実現するためには何が必要?
ここからはFIREの実践のため、クリアしなければならない重要課題を2つご紹介します。
1つ目は「年間支出の25倍」で、これは目標とする貯蓄総額を年間支出の25倍にすべき、という意味です。
なぜこのような数字が出てきたのかと言えば、FIREの成功者が多いアメリカで、その第一人者と言われる「グラント・サバティエ」氏が提唱している数字だからです。

彼は1984年生まれでシカゴ大学を卒業したあと、新聞社の市場調査員などを経て30歳の時にリタイヤし、手元にあった3ドル弱の資金を、わずか5年で125万ドルまで増やしました。
そんな彼の説によれば、現在米国株の平均利回りが7%ほどで、アメリカで年間支出400万円の人が、25倍の1億円を米国株に投資すれば、単純計算で700万円の運用益が見込めると唱えています。
そこからアメリカのインフレ率分の3%を引き、残り4%の400万円が運用益として入手できれば、理論的には元金を減らさず、リタイヤ生活が可能です。

ただし日本の場合はインフレ率が1%以下なため、アメリカの数字はそのまま当てはまりません。それは下記で詳しくご紹介します。

4%ルールの実現可能性

2019年に行なわれた総務省の家計調査で、日本の平均的な世帯の年間支出は300万円と言う調査結果が出ています。
例えば6000万円の元金があれば、仮に米国株の平均利回りが5%でも、300万の利益が得られるため、4%ルールはほぼクリアできます。
さらに大都市圏以外の場所に居住し、月の支出を20万円ほどに抑えれば、元金を増やしながら生活が可能です。

ただし、これは年間を通して経済が上向きで「アメリカの株価が上昇傾向にあれば」という前提条件が付きます。
世界経済が下降局面に入れば、米国株が下がり、運用益で生活できなくなる可能性があります。
この場合は投資運用の方法をよく勉強し、元金を複数の投資先に分け、リスク分散を図る必要があるでしょう。

リスク分散投資で代表的なものはインデックスファンド(パッシブファンド)を利用した「インデックス投資」があります。
簡単に言えば投資リスクを効果的に回避しつつ、比較的安定したリターンが期待できる投資信託の1つで、FIREとも相性がよく、日本の大手金融機関が多数取り扱っています。

FIRE実現のためにしておきたい2つのこと

早期リタイア「FIRE」を目指す人が急増中!実現するためには何が必要?
前章では最低でも6000万円の元金が必要とご紹介しましたが、これは簡単にクリアできる目標ではありません。
この章では、FIRE実現のため絶対にしておきたい「2つのこと」を詳しくご紹介します。

必要な生活費を把握する

計画的な貯蓄を考える上でまず必要なのは、いま自分が何にどれだけ使っているのか?という正確なお金の流れです。
例えば家計簿ソフトなどで月々の生活費の収支を可視化し、どこにどんな無駄があるのかを突き止め、それを改善することが、計画的な貯蓄への第一歩になります。
通常、生活費の中で、一番大きな支出になるのは固定費です。
具体的には家賃や光熱費、車の維持費や駐車場料金、携帯電話やインターネットに掛かる、通信費などが固定費にあたります。
これらを少しでも安くできる可能性を探り、無理のない範囲で実行すれば、月に数万円の節約になることがあります。

特に賃貸などで掛かる家賃は、固定費の中で最も大きな割合を占め、手取り給料の3分の1を超えて家賃を支払っている人は、生活が苦しくなりがちで、なかななか貯蓄ができません。
そのため、毎月の家賃はできるならば、手取り額の4分の1程度にするのが理想です。

なるべく節約して投資に回す

このように節約で貯めた元金を、そのまま遊ばせていては、なかなか目標の6000万円に到達できません。
例えば元金が100万円溜まったとすれば、それはもう立派な投資資金になります。
つまり、節約しながら同時に資産運用の方法を勉強し、儲かる投資市場へ貯まった元金を投入し、積極的な運用を継続します。
これを繰り返せば元金は飛躍的に増えていき、短期間で6000万円を達成することも夢ではなくなります。

FIREよりも現実的なサイドFIREとは?

FIREには投資を主体とする方法と、本業と副業を同時に行いながら元金を貯める「サイドFIRE」という方法があります。
具体的には会社員を本業とし節約と投資を行いながら、休日やスキマ時間に働き、元金を貯めていく方法です。

現在は「クラウドソーシング」や「ノマドワーク」が発達したことで、自宅に居ながらも副業ができる時代になりました。
そのため、本業で培ったスキルや経歴を活用することで、より多くの収入が見込めます。

FIREは仕事を辞めることが目標ではない

早期リタイア「FIRE」を目指す人が急増中!実現するためには何が必要?
FIREは個人が経済的に自立するため、一定額のお金を貯蓄して早期リタイヤしますが、それは最終目標ではありません。
早期リタイヤは「自分らしく生きる」ための通過点であり、その後の努力次第で、悠々自適な老後を送れるかどうかが決まります。
しかし、これは会社のための実りのない努力ではなく、自分の幸せを自分自身で手に入れるための、現実的で前向きな、選択肢の多い努力です。

実はこれがFIRE最大の醍醐味であり、このことは若年層だけではなく、もっと幅広い年齢の個人が「身近な話題」として深く考えるべき事柄であり、将来的に大勢がFIREを支持すれば、社会を根底から覆す、大きな力を発揮する可能性があります。