高齢者の食欲不振はどうすれば改善する?原因や対策について

はじめに

高齢者は持病や薬の副作用などで食欲不振に陥りやすいですが、そのような状況を放置すると命に関わる場合もあります。
そこで今回は、高齢者の食欲不振の原因や対策についてご紹介していきます。

高齢者は食欲不振になりやすい?

高齢者の食欲不振はどうすれば改善する?原因や対策について
高齢者の食欲不振は「空腹を感じない」や「箸が進まない」といった、小さな訴えから始まることが多いです。
特に高齢になると、どんな人でも身体機能や消化機能は衰えますし、外出する機会も少なくなるので、必然的に食事量は減っていきます。
そのような状況が長引くと、次第に食欲不振になっていき、気がつけば全く食事を摂らなくなってしまう場合もあります。

症状を放置すると命の危険も

食欲不振によってビタミンやタンパク質など必要な栄養素が摂取できなくなると、体内の脂肪や筋肉が分解されてしまいます。
そのような状況が継続すると、体全体が低栄養状態になり、寝たきりになったり認知症を発症する可能性が急増します。

つまり、食欲不振の症状が軽いからといって放置していると、後になって取り返しが付かない危険性もあります。

食欲不振の主な原因

高齢者の食欲不振はどうすれば改善する?原因や対策について
高齢者が食欲不振となる原因は色々考えられれますが、実際には以下の四種類に大別することができます。
自分や家族に以下のような原因が当てはまっていないか、定期的に確認するようにしましょう。

加齢による食事機能の低下

70歳以上の高齢者は基礎代謝や運動量が大きく低下するので、一日の食事量も少なくなります。
食事量が少ないと、胃から分泌される胃液や、脂肪の分解に欠かせない胆汁の量が減ってしまい、慢性的な食欲不振に陥る可能性が高くなります。
また、運動不足も同じように食事機能の低下を引き起こすことで、食欲不振の原因になることがあります。

睡眠と生活習慣の乱れ

高齢者は深い眠りを発生させるノンレム睡眠の時間が、短くなりやすいとされています。
ノンレム睡眠の時間が短くなると、ホルモンバランスの崩れや疲労の蓄積が起こり、2~3時間程度で目が覚めてしまうようになります。
そのような睡眠障害は、生活リズムや生活習慣の乱れの原因となり、食欲不振も引き起こします。

肉体的・精神的な病気

高齢者になると様々な病気にかかりやすくなりますが、それらが食欲不振の原因になることがあります。
代表的な例としてはうつ病が挙げられます。
高齢者がうつ病にかかると、深刻な無気力状態となり、食事やそれ以外への興味関心が一切無くなってしまう場合が多いです。

また、治療やリハビリが大変な病気だと、それだけで体力を使い切ってしまい、食事を摂らないまま寝てしまう人もいます。
このような状態が長引くと、脳機能を維持するために必要なブドウ糖の量が減り、症状が悪化する負のループに陥ってしまいます。

薬の副作用

高齢者がかかりやすい糖尿病や高血圧の治療薬には、食欲不振を誘発する副作用を含むものがあります。
例えば糖尿病の薬は、インシュリンの量を調整することで、血糖値の上昇を抑える作用がありますが、人によってはこの作用が効きすぎる場合があります。

また、高血圧の治療薬には血圧上昇を抑える降圧剤が使用されますが、こちらも血圧が下がることで、体の怠さや食欲不振を引き起こします。
このような症状が出た場合は自分の判断で放置せずに、すぐにかかりつけ医に相談して、投薬量や薬の種類を変更してもらいましょう。

手軽に始められる対策は?

高齢者の食欲不振はどうすれば改善する?原因や対策について
ここまで紹介してきたように、高齢者の食欲不振は大きな危険性を秘めています。
それらを回避するためには、以下のような小さな対策をしっかりと積み重ねることが大切です。

本人とよく話し合う

基本中の基本ですが意外に出来ていない場合が多いです。家族に気兼ねして嫌いな食事を食べ続けた結果、食欲不振になるケースもあります。
そのため食事を提供する人と本人がよく話し合って食事作りをすると、双方にとっていい結果に繋がりやすくなります。
また普段から意思の疎通ができていると、食事の介助などもスムーズに進むことが多く、楽しく食事をすることができます。

無理に食べさせない

食事をしない高齢者を心配して、同居する家族が無理やり食事をさせようとするケースが多いですが、それは逆効果になってしまうので注意しましょう。
本人が乗り気ではないのに、食事を強要してしまうと、更に食事嫌いに拍車をかけることになります。
そのため、本人が自発的に食事をするまでは気長に待つことが大切です。

家族や友人と一緒に食事する

一人での食事を味気ないと感じる人は多いですが、それと同様に一人で食事する高齢者は食事嫌いになる可能性が高いです。
もちろん感じ方は人それぞれなので、問題ない人もいますが、なるべく家族が同席して一緒に食事するようにしましょう。
もし、家族が遠方に住んでるなどの理由で同席することが難しい場合は、周辺に住んでいる友人と一緒に食事するのもおすすめです。

調理方法や盛り付けを工夫する

高齢者の食事は高血圧を心配して、塩分を控えたり薄味で作る人が多いです。
しかし、過度に薄味の食事は満足感が得られにくく、食欲不振の原因になる場合もあります。

そのため、味付けの具合が分からない人は、専門の調理師が監修したレシピを活用することをおすすめします。
専門家が監修しているので栄養バランスや味付けの心配をする必要がないですし、サンプル写真を真似することでキレイに盛り付けることもできます。

動画サービスを活用する

Youtubeなどの動画共有サイトでは、高齢者向けのレシピ動画が掲載されているので、それらも参考にしてみましょう。
動画なので写真だけのレシピ本よりも分かりやすいですし、巻き戻したり倍速で見ることもできます。

ただし、家の回線状況によっては動画が見づらかったり、通信費が高くなることもあるので、事前に注意してください。

高齢者向けの宅配弁当サービスを利用する

現在は高齢者向けの宅配弁当サービスを提供している専門業者が、インターネットを中心に多数登場しています。
それらの多くはメニューが豊富で、食感や味付けの濃さまで細かく選べるので、個人の状態や嗜好に合わせて最適な食事を提供できます。

また、定期プランを契約することで、定期的に必要な分の食事が届けられるので、一人ぐらいの高齢者や料理が苦手な人にもおすすめです。

いつもと違うことをしてみる

目標を持たずに日常を繰り返していると、次第に精神面に悪影響を与えて、食欲不振を引き起こすことがあります。
そのため、思い切って新しいことを始めたり、好奇心を持って色々な物事に取り組むことも対策になります。

例えば、天気の良い日は家の周りを散歩したり、友人と公園でランニングをしてみましょう。
日光を浴びることでホルモンバランスが整いますし、適切な運動は食欲を増進します。
また、絵画作成や映画鑑賞のような趣味も同じように、脳を刺激して、活力や食欲を生み出してくれます。

専門医に相談する

上記で紹介したような方法が上手く行かず、食欲不振の症状が改善しない場合は、なるべく早く内科医に相談しましょう。
うつ病などが原因の食欲不振は、心療内科でのカウンセリンや投薬を受けることで劇的に改善する場合もあります。
そのため症状が悪化しないうちに、適切な対処を行うことが最も大切です。