地域包括支援センターってどんな施設なの?

その役割や利用方法を理解して上手に活用しよう!

はじめに

日本の高齢者人口は増加の一途を辿っており、2042年にはピークを迎えると予測されています。
この状況を受けて、各自治体は2025年までに地域全体で高齢者の暮らしをサポートする仕組みの整備を目指しており、その中核を担っているのが地域包括支援センターです。
そこで今回は、地域包括支援センターの主な役割や利用方法についてご紹介していきます。

地域包括支援センターとは?

地域包括支援センターってどんな施設なの?
地域包括支援センターとは全ての高齢者のサポートを目的として、各自治体が設置・運営を行っている機関のことです。

社会福祉士や保健師、主任ケアマネージャーといった専門家がチームを組むことで、高齢者が住み慣れた地域で継続的に生活できるように、在宅医療など様々な面でのサポートを実施しています。
場合によっては、運営を社会福祉協議会などに委託することで、各地域の特色や現状に合わせた柔軟な運営を行うことも可能です。

居宅介護支援事業所との違い

介護を必要とする高齢者に対してサポートを行うという点では、居宅介護支援事業所と似ているとも言えます。
しかし、居宅介護支援事業所が対象としているのは要介護認定を受けた高齢者であり、それ以外の高齢者については原則的にサポートを行いません。

一方で、地域包括支援センターは地域に住む全ての高齢者のサポートを目標としているので、要介護認定を受けていない高齢者でも利用することができます。
また、高齢者の家族からの相談にも対応していることから、地域包括支援センターがより広い範囲をカバーしていることが分かります。

地域包括支援センターの役割

地域包括支援センターってどんな施設なの?
地域包括支援センターは総合相談・権利擁護・介護予防マネジメント・包括的継続ケアマネジメントの四つを柱として運営が行われています。
具体的な業務の内容については以下の通りになります。

高齢者の総合的な相談窓口

地域包括支援センターは高齢者の相談窓口として、介護や医療に関する困りごとへの対応を主な役割としています。
特に介護が必要になった際に、本人も家族もどうしていいのか分からないことが多いですが、そのような場合は地域包括支援センターに相談してみましょう。

他にも、要介護認定の申請代行や介護事業者との仲介なども行っており、制度の枠を超えて総合的に機能しています。

高齢者の権利保護

高齢者は詐欺や悪徳商法のターゲットになりやすいため、高齢者の権利を保護することも大切な役割の一つになります。
また、業態の早期発見や予防のための情報収集や、認知症患者の財産を守るための成年後見制度の申請支援も行っています。

介護予防マネジメント

地域包括支援センターは事前の予防マネジメントを行うことで、高齢者の健康寿命を伸ばすことにも貢献しています。
健康寿命とは介護を必要とせずに、自立した生活を送れる期間のことであり、この健康寿命を長期化することで、介護や医療現場の負担を減らすことができます。
そのため、一人ひとりに合った介護予防ケアプランを作成し、そのプランに基づき地域活動や介護予防教室への参加を促しています。

地域全体のケアマネジメント

地域包括支援センターの目標は、地域全体で高齢者をサポートしていくことですから、定期的に公共施設の担当者などと地域ケア会議を開催し、今後どのような取り組みをしていくべきなのか、早急に対応すべき問題点はなんなのかを話し合います。
このような機会を設けることで、その地域に則した臨機応変なサポートができるようになるのです。
現在進められている地域包括ケアシステムの構築に対し、リーダーシップを発揮して積極的に関わっているのが地域包括支援センターなのです。

また、個々のケアマネージャーの支援を行っており、研修会を開いてケアマネージャー同士のネットワークを構築する手助けもしています。
また要介護認定の高齢者へのケアマネジメントについてアドバイスやサポートも行います。

地域包括支援センターの利用方法

地域包括支援センターってどんな施設なの?
地域包括支援センターの多くは平日9時~17時を利用可能時間としているので、この時間帯に合わせて受付に行きましょう。
その後、ケアマネージャーや保健師のような専門家と面談し、今後の対応についてアドバイスを受けます。
もし、一回だけでは対応が難しい場合は、継続してセンターに通うことになるので、仕事などで時間を確保することが難しい場合は、事前にその旨を伝えておきましょう。

地域包括支援センターの利用条件は?

地域包括支援センターは、「対象地域の65歳以上の高齢者」か「該当する高齢者を支援する家族」であれば利用できます。
ただし、高齢の親や親戚が遠方に住んでいる場合は、その地域の支援センターでしか対応を受け付けていないので、注意しましょう。

また、大きな市だと複数の支援センターが設置されており、それぞれ担当する区域が別れていることもあります。
そのような市に住んでいる場合は、事前に運営元の自治体のWebサイトなどで、該当する支援センターを確認するようにしましょう。

利用や相談にかかる費用は?

地域包括支援センターは利用条件に当てはまっていれば、誰でも無料に利用することができます。
そのため、介護や医療だけでなく、経済面などでも困りごとがあれば、積極的に利用することをおすすめします。
もし時間や体調の関係上、直接出向くことが難しい場合は、電話でも同様のサポートを受けることができます。

ただし、支援センターを経由してケアプランの作成を依頼したり、介護サービスを利用する場合は、利用料金の一割が自己負担となります。
経済状況によっては介護保険以外の公的支援を受けられる可能性もあるので、その点もしっかりと専門家に相談・確認するようにしましょう。

地域包括支援センターで相談できる専門家は?

地域包括支援センターってどんな施設なの?
地域包括支援センターに駐在している専門家は、社会福祉士・主任ケアマネージヤー・保健師の3種類です。
自治体によっては他分野の専門家や経験豊富な看護婦が駐在しているケースもあります。
これらの専門家がチームを組むことで、高齢者に関する様々な問題に総合的に対応することを目指しています。

社会福祉士

社会福祉士は、高齢者を扱う関係機関と連携することで、地域の介護ネットワークを構築することを役割としています。
また、虐待問題や消費者被害の初期対応も担当しており、もし支援センターでの解決が難しい場合は、専門機関への橋渡しを行います。

主任ケアマネージャー

主任ケアマネージャーは、地域全体の介護問題や適切な環境整備を担っており、包括的かつ継続的なマネジメント能力が求められます。
その他にも、新人のケアマネージャーの育成に携わったり、要介護者のケアプラン作成のサポートも行います。
地域包括支援センターに勤務する場合は、ケアマネージャーと主任介護支援専門員の両資格が必要になります。

保健師

保健師は、保健所や病院との連携が主な役割であり、高齢者や家族からの医療・介護に関する相談にも対応します。
また、高齢者の介護予防マネジメントを行うことも大切な役割なので、定期的に市民向けの勉強会なども主催しています。