将来の介護負担を減らすための「民間介護保険」とは?

~「民間介護保険」のメリット・デメリットや選び方について~

はじめに

現代日本では、医療の発展や公衆衛生の改善によって長寿化が進行していますが、それに伴い介護を必要とする介護リスクも上昇しています。
このような介護リスクに対しては国が提供する公的介護保険がありますが、要介護度や個人の事情によっては公的介護保険だけではカバーしきれない場合もある事から、民間介護保険の利用が促進されています。
そこで今回は、民間介護保険の種類や選び方について解説していきます。

民間介護保険とは?

将来の介護負担を減らすための「民間介護保険」とは?
民間介護保険は、主に生命保険会社が提供・運用を行う保険商品です。
加入や給付の条件は各生命保険会社が独自の基準を定めていますが、基本的には公的介護保険よりも緩い条件が設定されています。
また、運用方法や給付金の受取り方も色々なタイプが用意されているので、将来的な介護リスクに備えて加入を検討する人も増えています。

公的介護保険と民間介護保険の違い

要介護状態となった時に備えるための介護保険ですが、公的介護保険と民間介護保険には色々な面で違いがあります。

要介護認定の基準が違う

公的介護保険では要介護状態を7段階に分類していますが、民間介護保険の場合は保険会社が独自の基準を定めています。
そのため、公的介護保険では要介護認定されなかった場合でも、民間介護保険であれば認定されるケースがあります。

保険期間や給付内容が違う

公的介護保険は40歳になると強制加入となり、保険料を半永久的に支払う事になりますが、民間介護保険には一定年齢で支払いが終了するタイプも用意されています。
また、既に加入している終身保険などの特約として介護保障を後から付与する事も可能です。

民間介護保険の必要性

将来の介護負担を減らすための「民間介護保険」とは?
介護には予想以上にお金がかかってしまう事もあるので、公的介護保険だけで賄えるのかを事前にシミュレーションしておきましょう。

3人に1人は月額費用の平均を上回る

公益財団法人生命保険文化センターが実施したアンケート調査によると、介護費用の月額平均は7.8万円とされています。
しかし、実際の月額費用が10万円以上かかったとする回答は全体の30.7%であり、さらに15万円以上かかったとする回答は15.8%にも上ります。
つまり、3人に1人は月額平均を上回る介護費用が必要になるので、要介護度によっては公的介護保険だけでは足りない場合もあります。

介護期間が長引く事も

上述のアンケート調査によると、介護の平均期間は4年7ヶ月とされていますが、人によっては10年以上も介護を行っている場合があります。
特に、近年の医療や介護技術の進歩によって平均寿命は伸びていますが、介護を必要としない健康寿命は大きく変わっていない事が主な理由とされています。
また、それまでは元気だったのに脳梗塞や脳卒中の後遺症で急に要介護状態になってしまうリスクもある事から、介護期間が長期化した時の事も考えなければいけません。

民間介護保険のメリット

将来の介護負担を減らすための「民間介護保険」とは?
公的介護保険に比べ、民間介護保険にはさまざまなメリットがあります。
生命保険会社や商品によって細かな違いはありますが、共通するメリットとして以下の2つが挙げられます。

40歳以下でも加入できる

公的介護保険は40歳以上からの加入となりますが、民間介護保険は40歳以下の加入も受け付けているので、早期から介護リスクに備える事ができます。
また、65歳未満の人が公的介護保険を利用するためには、特定疾病を持っている必要がありますが、民間介護保険には年齢制限がないので、65歳未満の段階で要介護状態になったとしても、保障を受けられます。

給付金を現金で受け取れる

公的介護保険の給付は介護サービスを通した現物給付なので、自分で保険料の使途を決める事はできません。
一方で、民間介護保険は保険料が現金として給付されるので、介護サービス以外にも使用する事が可能です。

民間介護保険のデメリット

将来の介護負担を減らすための「民間介護保険」とは?
民間介護保険は民間企業が提供しているので、公的介護保険とは異なるデメリットが存在しています。

保険料の負担が増える

民間介護保険に加入する場合でも、公的介護保険の支払いは必要なので単純に保険料の負担が増加します。
また、保障内容を手厚くすると保険料も上がってしまうので、経済状況や介護リスクの大きさに合わせて調整しましょう。

給付条件が公的介護保険と異なる場合がある

介護保険の給付条件が独自型だと、生命保険会社の独自の基準で要介護認定されるので、本来よりも低く要介護認定される可能性があります。
また、給付基準は各会社によって異なるので、どの保険に加入するか検討する時に比較がしにくいという難点もあるので注意しましょう。

民間介護保険の選び方

将来の介護負担を減らすための「民間介護保険」とは?
実際に民間介護保険を検討する場合は、以下の項目に沿って自分に合った保険を選ぶようにしましょう。

給付条件

民間介護保険を選び場合は、まず給付条件に注目するようにしましょう。
特に、独自の基準を設けている介護保険は、要介護度の基準を低めに設定してある商品の方が給付確率が高くなります。
また、同じ生命保険会社でも商品によって給付条件が違う場合もあるので、自分の状況と照らし合わせて考える事をおすすめします。

給付内容

民間介護保険の給付内容は大きく3つに分かれています。

・年金タイプ
・一時金タイプ
・年金と一時金の組み合わせタイプ

人によって最適なタイプは異なりますが、介護の長期化が予想される場合には年金タイプが適しているとされています。
また、毎月の保険料は少し高くなりますが、年金と一時金の組み合わせタイプを選択すれば保障は手厚くなり、介護の初期費用だけでなく長期的な介護の出費にも備える事ができます。

保険期間

民間介護保険の保険期間は主に以下の2種類になります。

・定期タイプ
・終身タイプ

定期タイプだと、事前に定められた期間や一定年齢に達するまでの期間を保険期間とするので、支払う保険料の総額を低く抑える事ができます。
一方で、終身タイプは半永久的に保障が続くので安心ですが、定期タイプに比べると月々の保険料は高めに設定されています。