どこでも診察を受ける事が出来るオンライン診療とは?

~オンライン診療にまつわる法律やメリット・デメリットについて~

はじめに

現在、インターネットを利用した「オンライン診療」が注目されています。離れた場所でもリアルタイムの診療が可能であり、病院の予約や支払いもネット上で完了する仕組みですが、具体的なサービス内容はあまり知られていないようです。

そこで今回はオンライン診療の概要やメリット、デメリットなどについて解説します。

オンライン診療とは

どこでも診察を受ける事が出来るオンライン診療とは?

オンライン診療のスタートは1997年で、既に20年以上の歴史となりますが、通常は病院へ直接出向き、医師から診療を受ける「対面診療」が一般的であるため、あまり普及していませんでした。

しかし新型コロナウイルス感染症の影響により、感染防止のため対面診療を避ける方や、定期的な通院をためらう方が増え、オンライン診療が注目されるようになりました。かつては遠隔診療とも呼ばれていましたが、病院までの距離に関係なく居ながらにして診療を受けることができ、IT機器を活用した診療方法であることから、オンライン診療と呼ばれるようになりました。 医師法には「初診対面」の原則がありますが、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して時限的に規制も緩和され、少しずつ普及し始めています。

オンライン診療ではビデオ通話によって診療を受けますが、診療システムは病院によって異なります。今のところ予約から支払いまで可能なスマートフォン用アプリが主流となっていますが、LINEなど普及アプリのビデオ通話を利用したシステムもあり、薬剤も自宅に郵送されるようになっています。

オンライン診療の平均的な費用

オンライン診療では基本的に「オンライン診療料」と「システム利用料」が加算され、診療費や処方箋は対面診療と同等の料金になっています。

オンライン診療料は300円~500円程度が相場となっており、処方箋や明細書の郵送には100円程度の料金がかかります。 公的医療保険を適用する保険診療の場合はオンライン診療を受けられる疾患が限られており、診療報酬点数が認められているのは内科や小児科の一部疾患のみとなっています。

ただ医療報酬点数の定められていない疾患については、自由診療(保険適用外の自費診療)としてオンライン診療を行っている病院もあります。

オンライン診療に関する法律

新型コロナウイルスの影響によって注目されることになったオンライン診療ですが、前身となる遠隔診療は1970年代からスタートしています。普及率が低かった理由として、通信インフラの整備や端末機の性能が挙げられますが、医師法の第20条も大きく関係しています。

医師法第20条では「医師は自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付」を禁止しています。つまり「無診療治療」は法律違反になってしまい、医師法では50万円以下の罰金に処せられます。 遠隔診療やオンライン診療が無診療治療にあたるかどうかについて、法律面の解釈は今でも明確になっていません。

しかし行政サイドでは、医学的に妥当であれば医師法の診察に該当すると解釈され、対面診療を基本としつつ補完的な診療としてオンライン診療を位置づけています。ビデオ通話やリモート会議などが当たり前となった現在では厚生労働省の解釈も柔軟になり、様々な規制緩和に繋がっています。

オンライン診療のメリット

どこでも診察を受ける事が出来るオンライン診療とは?

インターネットを活用したオンライン診療には以下のようなメリットがあります。

どこでも診察を受けることができる

インターネット環境があればどこからでも診察を受けることができます。オンライン診療を自宅で受ける場合は待ち時間がなく、嘔吐やめまいなど病院に行くことが苦痛な方でも移動を伴わずに診療を受けることができます。

また対面診療では診療後の会計や処方薬の受取りにも時間を要しますが、オンライン診療であれば待たされることもありません。仕事の都合などで通院が難しい場合でも、オンライン診療であれば出先から診療を受けることができます。

処方薬を郵送で受け取れる

病院内の処方であれば、処方薬を自宅に郵送できますし、最寄りの薬局に処方箋を出して受け取ることもできます。病院外の処方であれば処方箋が郵送されるようになっています。

院内感染や二次感染のリスクがない

直接病院へ出向くことがないので他の患者との接触がなく、院内感染や二次感染のリスクがありません。外出そのものが規制されている場合にもオンライン診療は有効です。

クレジット決済ができる

ほとんどの病院は現金決済になっていますが、オンライン診療ではクレジットカードや電子マネーで支払いができます。現金そのものに触れることがないため、衛生面でも安全といえるでしょう。

全国の病院を利用できる

いつも利用している病院がオンライン診療に対応していないこともあり、時には他の医師の意見を聞きたい場合もありますが、オンライン診療に対応した病院であれば全国どこでも利用することができます。評判のよい医師の診療を受けることも可能になるでしょう。

時間や交通費が節約できる

自宅や外出先から診療を受けることができるため、オンライン診療では病院までの移動時間や交通費を節約できます。また予約も24時間対応なので、病院の受付時間を気にせず、自分の都合の良い時間帯に予約を入れることができます。

オンライン診療のデメリット

どこでも診察を受ける事が出来るオンライン診療とは?

非対面の診療であることやシステム的な制約などから、オンライン診療には次のようなデメリットもあります。

診療の質が通信や撮影環境に左右される

オンライン診療では大量のデータを扱うため、患者側の通信環境や撮影環境によっては診療の質が下がってしまう可能性もあります。鮮明かつ途切れの無い映像が必要になるので、古いスマートフォンや低速回線では満足な診療を受けられないかもしれません。

対面診療に比べて情報量が少ない

オンライン診療では触診などができず、患者の情報は映像と音声のみになります。カメラの配置にもよりますが、全身をくまなく診ることもできないため、細かな点を見逃す可能性もあります。病状や症状が重くなってしまう兆候を見逃す可能性もないとはいえません。

検査ができない

レントゲンや血液、尿などの検査はできないので、より丁寧な診療を受けるためには病院へ行く必要があります。

パソコンやスマートフォンを扱えない患者がいる

ある程度のITリテラシーが必要となるため、パソコンやスマートフォンの扱いに慣れていない方には敷居の高い診療方法となってしまいます。システム操作などに苦手意識がある方は、家族の協力も必要となるでしょう。

クレジットカードがなければ利用できない場合もある

オンライン診療の決済はクレジットカードが一般的なので、クレジットカードを持っていない方は利用できない場合があります。最近ではプリペイド式(先払い式)の電子マネーに対応したサービスもあるので、決済方法はよく確認するようにしましょう。

急な病状の変化に対応できない

オンライン診療中に患者の病状が急変した場合、速やかな処置は困難であり、対応できるまでに時間を要する場合もあります。また処方薬を郵送にした場合、自宅に到着するまで日数がかかるため、すぐに痛みの緩和や解熱などができない場合もあります。

おわりに

新型コロナウイルスの影響により注目度の高くなったオンライン診療ですが、通院が苦痛になっている方や忙しい方、近くでは自分に合った診療を受けることができない方には有効な診療方法です。

しかしオンライン診療に対応していない医療機関もあるため、まずかかりつけの医師へ相談してみることをおすすめします。オンライン診療に対応した病院を自分で探したい方は、厚生労働省のホームページから都道府県別の医療機関リストを閲覧することもできるようになっています。