断捨離は終活のキーワード

~モノへの執着を捨てることは生前整理の第1歩!~

終活において、生前整理をするにあたり、「断捨離」の考えを用いる方が増えつつあります。
断捨離は2010年には流行語大賞にもノミネートされ、広く知られるようになりました。

長年の生活で溜まった私有物の整理は、どうしても億劫な気分になりがちですが、断捨離の考えを取り入れることで生前整理にも取り掛かりやすくなりそうです。

今回は、断捨離を用いた生前整理の方法などをご紹介します。

断捨離とは?

断捨離とは、もともと仏教用語で、インドヨガの思想です。

・「断行」…自身に入ってくる余計なものや思想を遮断する
・「捨行」…自身の周りにある不要なものや思想を捨てる
・「離行」…ものや思想への執着から離れる

という意味があります。
現代、主に言われている断捨離は、これらの考えを一般的な生活に落とし込み、片付けなどにあてはめたものです。
家にある物を片付けながら、ひとつひとつ所有物に向き合い、取捨選択することにより、物だけでなく思考も整理します。

つまり、自身が物や思考の執着から離れることで、身軽に生活できるようになるのが目的です。
この考えを、生前整理の際に取り入れる方が増えているのです。

生前整理のメリット

生前整理のメリットは以下の通りです。

①自身の財産の把握
②残された家族の労力を軽減する
③より住みやすい環境が手に入る

①自身の財産の把握

生前整理をすることは、自身の財産の把握になります。
日常でも、クローゼットの整頓一つとっても、「こんな服があったのか!」「こんなところにしまっていたのか…」という経験はどなたにでもあるのではないでしょうか。

他の物も同様、忘れていた資産などが見つかる場合もあるのです。
また、価値のある物と思いしまい込んでいたが傷んでいる、時代と共に価値が下がっている等もあり得ます。

自身の財産を把握することはエンディングノートへの記載や、遺言書の作成などにも役立ちます。
エンディングノートや遺言書を正しく記載しておくことは、自身の死後に、家族が遺産相続などでトラブルになるのを防げます。

②残された家族の労力を軽減する

生前整理をすることは、自身の死後、残された家族の労力を軽減するのに役立ちます。
長年の生活で溜まったものを片付けるのは、肉体的にも経済的にも想像以上に大変です。

また家族は、「お父さんが大切にしていたから…」「本人ではないし廃棄していいのか判断できない」などの思いがあり、精神面においても、他人より片付けにくい場合が多いです。

生前整理を自身である程度行っておくことで、家族が困らずに済みます。

③より住みやすい環境が手に入る

生前整理をすることで、より住みやすい環境が手に入ります。
とくに、断捨離を用いた生前整理は自身の死後のことだけを考えているのではありません。
老後をより良く生きるための行為と捉えます。
まず単純に不用品を整理することで、スペースが作れ、広々と暮らせるようになります。

長年使ってないものでも「もったいないから」と取っておくことで、その分のスペースは物に占拠されています。
不用品に占拠されているということは、自分の居場所が狭くなることや、不用品分の家賃まで支払っていると考えると、断捨離する気持ちになるのではないでしょうか。

また、生前整理をする過程で、自身の持ち物に向き合うことで、自分の好きなもの、老後にやりたいこと、また好きではないのに惰性でしていることなどが浮き彫りになることがあります。
これらを整理することで、思考もすっきりし、精神的にも活力が湧いてくることもメリットです。

加えて、探し物などが減り、時間にも余裕ができます。
心身ともに老後豊かな暮らしができるのが、断捨離を用いた生前整理の良いところです。

断捨離を用いた生前整理

断捨離を用いた生前整理をご説明します。

①スペースの役目を意識する
②物を3つに分類して整理する
③置いておくものの量や場所を決める
④全体的な雰囲気や使いやすさをチェックする

特に順序はなく、ご自身のやりやすい形で実行してください。

①スペースの役目を意識する

断捨離を用いた生前整理には、まずは整理する場所の役目を意識しましょう。
玄関なら「靴を着脱し、出入りする」、台所は「料理する」などです。

そこにその用途以外のものは置いていないでしょうか。
ずっと置いていると当たり前のようになり、特に意識せずに不用品を避けて場所を使うことに慣れてしまっているかもしれません。

しかし、避ける際に一瞬、不快な思いはしないでしょうか。
玄関に置きっぱなしの段ボールを避ける際に「邪魔だな」という思いがする、など。

これらは積み重なってストレスとなるので、片付ける基準となります。
スペースの役目を見直すことで、暮らしている自身の心理も見つめると良いでしょう。

②物を3つに分類して整理する

ものを整理する際に、3つに分類するのが断捨離の基本です。

・必要
・不要
・保留

その際には、「今後必要か」「自分が気に入っているか」がポイントです。
個々でも自身の好みや思考、感覚などと向き合うことになり、それが断捨離の効果に繋がります。

要不要の判断に迷った「保留」は時期を決めて箱などにまとめて保管します。
半年や一年後など、時期が来たら再び保留分の箱を取り出し、仕分けをします。

ここでは大半が不要になる体験をする方が多いようです。
このように物を通して自身と向き合えるのが断捨離の醍醐味です。

③置いておくものの量や場所を決める

断捨離を用いた生前整理では、以後に置いておくものの量や場所を決めましょう。
夫婦2人なのに大量の食器があったりしませんか。その食器、使用していますか?

物を置きやすく、またスムーズに取り出しやすい量はスペースの7~8割といわれます。
理想はそこまで量を減らすことです。

またその状態をキープすることも、暮らしやすさを維持するためには大切です。
「捨」で手放したのに、「断」をすることなく再び物を増やしていては、手放した意味がありません。不要と手放したものさえ、大変もったいない物になってしまいます。

加えて、物を片付ける場所を決めます。
探し物や迷い事が格段に減り、ストレスも減ります。

物の定位置を決めるには、「物の住み家、物の部屋を作る」と考えるとイメージがしやすいです。

④全体的な雰囲気や使いやすさをチェックする

時々、部屋の全体的な雰囲気や使いやすさをチェックしましょう。
断捨離を用いた生前整理をするのは、物を減らすことだけが目的ではなく、以後に暮らしやすくすることも重要です。

細部を整理しながら、全体的に自身の好きな雰囲気になっているか、使いやすい空間になっているか広く見てみましょう。

断捨離を用いた生前整理のコツ

断捨離を用いた生前整理のコツは以下の点です。

①自身の気の向くところから始める
②整理する場所の物を一旦全部出す
③年齢が若いうちに取り掛かる

①自身の気の向くところから始める

断捨離を用いた生前整理に取り掛かる際、自身の気の向くところから始めましょう。
比較的狭い範囲からやると続く事例が多いようです。

キッチンの引き出しから、靴箱から、などです。
いきなり大きなものがある場所や、億劫な場所から取り掛かると、その大変さに心が折れやすいようです。

②整理する場所の物を全部出す

整理する場所の物を一旦全部出すと効果的です。
引き出しに物が入ったまま整理を進めるより、物の量や本来の容量を俯瞰で眺められ、把握できるからです。

「引き出しにこんなに物を詰め込んでいたのか」「探していたものがここにあった」などと驚かれる方も多いようです。

③年齢が若いうちに取り掛かる

生前整理とはいえ、年齢が若いうちに取り掛かると良いでしょう。
体力もありますし、家族との意思疎通も取りやすく整理がスムーズに進みます。

また、断捨離を用いた生前整理だと以後の暮らしが快適になるので、早めに取り掛かるほどその時間が増えます。
また、断捨離の真の目的である「物事への執着を手放す」ことが早めに腑に落ちることも良い点です。

断捨離の考えを念頭に、無理なく少しずつ進めていきましょう。

断捨離を用いた生前整理で気を付けること

断捨離を用いた生前整理で気を付けることは、以下の点です。

①人の物を捨てない
②不用品を人に押し付けない

①人の物を捨てない

断捨離においては、家族といえども他者の物を勝手に捨ててはいけません。
近年、「夫が大切にコレクションしていたものを、妻が必要ないと捨てた」「妻の化粧品を夫が勝手に処分」など断捨離をめぐって家庭内トラブルが増えています。

最悪の場合、離婚問題に発展した事例もあります。
断捨離は基本的に、あくまで自身の物や思考への執着を取る事が目的とされています。

そのため、他者の物は後回しにして、気になる場合は必ず相談し、話し合いましょう。

②不用品を人に押し付けない

断捨離で不要だと判断された物を、家族とはいえ人に押し付けてはいけません。
「もったいないから孫に」「兄弟が使うと思って取っておいた」と大量の物を取っている方もいます。

物を大切にし、継承していくことも大切ですが、相手が要らないというものを押し付けてはいけません。逆の立場になった場合を考えると良いでしょう。
また義理の家族等だと断りにくく、笑顔で受け取ってくれても内心迷惑だと思われている場合もあります。

必要な方がいない場合は、リサイクルショップなどに持っていくのも手です。
相手の意思や好みを尊重しましょう。

断捨離を用いた生前整理を進め、快適な生活を手に入れましょう

断捨離は、物や思考の執着を手放し、身軽に生きることが目的です。
生前整理にこの考えを取り入れることで、老後の快適な生活も手に入れられます。

自身の気の進むところから、無理なく始めていきましょう。
また、他者への配慮も忘れないようにしましょう。

断捨離を用いた生前整理で、より豊かな老後を目指しましょう。