「葬祭費補助金制度」をご存知ですか?

~意外と見逃してしまうお得な制度~

葬儀費用に対してはさまざまな健康保険による公的補助制度があります。ただし申請先によって、補助される金額や申請の方法や必要な書類、期限もさまざまです。葬儀費用の補助には欠かせない葬儀に対する葬祭費補助金制度について紹介します。

祭費補助金制度について

(1) 葬祭費補助金制度とは
葬祭費補助金制度とは、健康保険に関して、国民健康保険、後期高齢者医療制度や社会保険・共済組合に加入している方が亡くなった際に葬儀や埋葬を行う人に支給される給付金制度の総称です。
加入先によって名称や支給額が違い、葬祭費は葬儀終了後に各市区町村や加入先に申請をする事で支給されることになります。
支給金額を葬儀費用にあてることによって費用の軽減にも繋がりますので、忘れずに申請を行うようにします。

(2) 葬祭費補助金は申請しないと支給されない。
葬祭費補助金は、故人が国民健康保険、後期高齢者医療制度、国民健康保険以外の医療保険(健康保険組合、全国健康保険協会、共済協会などの健康保険)に加入していた場合に給付される制度です。
給付金は個人が申請しなければ支給されない上、手続きをしてから2~3種間程度はかかるため、葬儀費用で当面の支払いを済ませ、香典や給付金で不足分を賄うといった使い方をするのが一般的です。

(3) 葬祭費補助金支給時期
葬祭費補助金が支給される時期は申請後約1カ月後が目安です。

葬祭費補助金制度の現状

加入する保険制度により相違があります。

(1)国民健康保険の葬祭費補助金制度
国民健康保険に加入する本人(被保険者)が死亡した場合、葬儀を執り行った人に対して、「葬祭費」として一定の金額が支給されます。
支給金額は市区町村によって異なりますが、東京都23区は50,000円~70,000円です。東京・神奈川・千葉・埼玉の市町村は概ね50,000円が多い現状です。

①申請先
本人の住まいの市区町村
②申請の際に必要なもの
市区町村により若干異なりますので、申請の際には各自治体に確認が必要です。なお、申請は故人の保険証を発行している自治体となります。
a. 故人の保険証(返却のため)
b. 葬儀の領収書原本(喪主のフルネームが記載・但し書きに「葬儀代金」とわかる表記)または、喪主名の記載のある会葬礼状(会葬礼状では不可な自治体もあります)
c. 印鑑(シャチハタは不可)
d. 振込口座番号の確認ができるもの(通帳など)
e. 窓口に来た方の本人確認書類(マインナンバーカード・免許証・保険証等)
③申請期間
葬儀を行った日の翌日から2年間

(2) 後期高齢者医療制度の葬祭費補助金制度
後期高齢者医療制度の被保険者が死亡し葬儀を行ったとき、葬儀を執り行った方(喪主)からの申請により葬祭費を支給されます。
支給金額は70,000円(原則)です。
※喪主の口座への振込みとなります。
※申請してから支給まで、1~2カ月かかります。
※保険料に未納があると、事前に納付相談をしていただく場合があります。
①申請先
本人の住まいの市区町村
②申請の際に必要なもの
a. 亡くなった被保険者の保険証(後期高齢者医療被保険者証)
b. 葬儀を執り行った方(喪主)のフルネームが記載されている会葬礼状または葬祭費用に関する領収書
※注釈1:領収書はただし書きに「葬祭費用として」等の記載があるもの。記載がない場合は内訳書等を添付してください。
※注釈2:会葬礼状または葬祭費用に関する領収書に、葬儀を執り行った方(喪主)の苗字のみが記載されている場合は申立書も必要です。
※注釈3:葬祭費用に関する請求書・契約書・見積書は不可。
c. 葬儀を執り行った方(喪主)の印鑑 (シャチハタは不可)
d. 葬儀を執り行った方(喪主)名義の振込口座番号がわかるもの(通帳など)
e. 窓口に来た方の本人確認書類(マインナンバーカード・免許証・保険証等)
③申請期間
葬儀を行った日の翌日から2年間

(3) 社会保険や各共済組合の葬祭費補助金制度
社会保険や各共済組合(公務員の場合、各管轄の共済組合に加入します。)の被保険者が亡くなった場合、埋葬を行う方に対し「埋葬料」または「埋葬費」が給付されます。
埋葬料の支給金額は5万円です。埋葬料は葬祭費と異なり、霊柩車や火葬費料・僧侶への謝礼など、埋葬するまでにかかった費用が対象となります。
故人と生計維持関係にない場合は「埋葬費」となります。埋葬費は埋葬料と同じく、故人が国民健康保険以外の健保加入者である場合に受けられる給付金です。埋葬料は申請者が故人の収入で生活していた場合に利用できるのに対し、埋葬費は申請者が故人により生計を維持されていない場合でも利用できる制度です。

埋葬料、埋葬費の申請にはいくつかの条件を満たしている事が必要となります。
①申請先
本人の勤務先の所轄社会保険事務所、もしくは、勤務先の健康保険組合、共済組合
②申請の際に必要なもの
■埋葬料
・「住民票」(家族の方が申請する場合は、生計維持を確認できる書類として必要。)
■埋葬費
死亡した被保険者に家族がいないときは、埋葬を行った人に埋葬料の額の範囲内で、埋葬にかかった費用が埋葬費として支給されます。
・「領収証」(支払った方のフルネームが分かる記載。埋葬に要した費用額が記載。)
■家族埋葬料
被扶養者が死亡した場合、その埋葬の費用の一部として被保険者に埋葬料が支給されます。 (死産児については支給されません。)家族埋葬料の額は5万円となっています。
・「埋葬許可証、もしくは、火葬許可証のコピー」、「死亡診断書、もしくは、死体検案書のコピー」、亡くなった方の戸籍(除籍)謄(妙)本、住民票。
■共済組合の場合
共済組合は全国に多数あり、組織により若干の違いがありますが、健康保険の場合とほぼ同じ手続きで申請可能です。
・「埋葬許可証もしくは火葬許可証のコピー」等(死亡診断書のコピーでもOKな場合があります)
※被扶養者がいない場合は、健保と同じく、埋葬の際の領収書等が添付書類として必要となります。
・窓口に来た方の本人確認書類(マインナンバーカード・免許証・保険証等)
③申請期間
葬儀を行った日の翌日から2年間

(4) 生活保護受給者の葬祭費補助金制度
生活保護受給者は健康保険制度から離脱することになりますので別途の制度が必要です。生活保護受給者の葬祭費補助金制度の場合は「葬祭扶助」となります。
葬祭扶助は、故人が生活保護受給者で遺族以外の第三者が葬祭をおこなう場合、または遺族や喪主を務める人が生活保護を受けている場合に、葬祭に必要なものを扶助する制度です。
基準額は、故人が12歳未満の場合は164,000円、12歳以上の場合は206,000円以内ですが、自治体により上限額が決められています。
・申請先
生活保護法18条で定められているため、故人の住んでいた市町村役場に申請します。支給を受けるには葬祭前の事前申請が必要です。

葬祭費補助金制度の今後は

高齢社会の本格到来で葬祭の件数が社会的に増加することが予想され、かつ、各種の健康保険組合の財政も厳しい環境にあるため葬祭費補助金が増額される見込みは薄いと言えます。ただし、地方自治体より政策の違いはあるために最寄りのく市区町村に確認する必要はあります。

ただし、葬祭費は亡くなった被相続人の相続財産から控除されますので、相続財産があればそこから払えばよいことになります。
また、被相続人に相続財産がない場合は、遺族は葬儀費用を抑えて行う方法もあります。葬儀自体を行わず火葬のみ行う直葬では10数万円から20万円程度を葬儀社に払う必要がありますので、葬祭費補助金で不足する分を遺族が負担することになります。

葬祭費補助金制度利用の注意点

(1) 葬祭費補助金制度というものがあることを知っておくこと。
葬儀に身近でないため一般の人は葬祭費補助金制度について知らない場合があります。

(2) 高齢者の親などを持つ家族は本人の加入している健康保険について確認しておくこと。
75歳以上であれば後期高齢者医療制度になり、それまでの高齢者であれば国民健康保険になります。勤務中の方であれば社会保険での健康保険などが考えられます。

まとめ

(1) 葬祭費補助金制度とは
葬祭費補助金制度とは、国民健康保険、後期高齢者医療制度や社会保険・共済組合に加入している方が亡くなった際に葬儀や埋葬を行う人に支給される給付金制度の総称です。

(2) 葬祭費補助金は申請しないと支給されない。
葬祭費補助金は給付金と言われるもので申請しなければ支給されません。

(3)国民健康保険の葬祭費補助金制度
国民健康保険に加入する本人(被保険者)が死亡した場合、葬儀を執り行った人に対して、「葬祭費」として一定の金額が支給されます。支給金額は市区町村によって異なりますが、東京都23区は50,000円~70,000円です。

(4) 後期高齢者医療制度の葬祭費補助金制度
後期高齢者医療制度の被保険者が死亡し葬儀を行ったとき、葬儀を執り行った方(喪主)からの申請により葬祭費を支給されます。支給金額は70,000円(原則)です。

(5) 社会保険や各共済組合の葬祭費補助金制度
社会保険や各共済組合(公務員の場合、各管轄の共済組合に加入します。)の被保険者が 亡くなった場合、埋葬を行う方に対し「埋葬料」または「埋葬費」が給付されます。埋葬料の支給金額は5万円です。

葬祭費補助金制度の3つのポイント

(1) 葬祭費補助金制度は健康保険の組合から支給されるものであること。

(2) 葬祭費補助金は申請しないと支給されないこと。

(3) 葬祭費補助金の額は5万円程度であること。

ただし、住まいのある市区町村や加入している保険により相違があります。

葬祭の費用は近年では小規模化し家族葬などが増えています。平均寿命が延び、男性で81歳、女性で87歳程度まで伸びています。そのため、その年代までの社会的な付き合いは減り葬儀も親族中心の少人数になるためです。また、火葬のみを行う直葬が著しく増えています。親子関係も希薄になってきたのでしょうか?もしくは葬儀にお金を掛けたくない傾向が強まっているのでしょうか?葬儀を行わずそのため葬儀費用も全体的に低くなってきていると思われます。