葬儀後の弔問で気をつけることは

~マナーと注意点について詳しく解説~

近しい人の訃報を受けたけど、やむを得ない事情で通夜や葬儀に参列できないこともあるかと思います。
そんなときは故人の自宅に弔問に行くのが一般的です。
弔問は普通の訪問とは違いますので、気をつけなければならないことがいくつかあります。
そこで、弔問に行くときに気をつけることや、逆に弔問客を受け入れる側になったときのことについてお話しします。

葬儀後の弔問とは?

通常、親族や知人が亡くなったときは通夜や葬儀に参列します。
しかし、やむを得ず参列できなかった場合や告別式の後に訃報を知った場合などは、後日故人のご自宅に弔問に行きます。

弔問客が来るとなると、遺族は時間の都合をつけて弔問客のおもてなしをすることになります。
事前に準備をしたり家の片付けなどをしたりすることになりますので、弔問に行く前は必ず遺族に連絡をしましょう。
電話などでいつ訪問したら良いかきくことが大事です。

●弔問の目的
弔問の目的は、遺族にお悔やみの言葉を伝えることと線香をあげることです。
ただ、弔問は決して義務ではなく「お線香をあげたい」「お悔やみの言葉を伝えたい」という気持ちからすることです。

また、弔電は自宅にうかがうことだけではありません。
やむを得ず葬儀や告別式に参列できない場合は葬儀会場に弔電を送ったり、葬儀後に故人の自宅にお悔やみの手紙と香典を郵送したりすることも弔問といえます。

ただし、いずれにしても「お悔やみを伝えたい」という弔問客側の気持ちを優先するものではなく、遺族側の気持ちに配慮して行うべきものです。

●弔問のタイミング
葬儀後に日をあけて弔問する場合は、葬儀後3日ほどあけてから四十九日ごろまでにしましょう。
葬儀後3日くらいのあいだは、葬儀や告別式の後片づけなどで遺族は忙しくしていますので、葬儀後すぐは避けるほうが良いのです。

そして、四十九日ごろまでが良いとされているのは、葬儀から日が経ちすぎていると弔問客を迎える準備や手間が遺族の負担になることがあるからです。
四十九日を過ぎて、遺族が気持ちを整えているところに弔問客が訪れると、悲しみを思い出させることになるので、あまり日をあけないことが良いとされているのです。

ただ、「四十九日以内が望ましい」というだけで、四十九日を過ぎたら絶対に行ってはいけないということではありません。
四十九日を過ぎてから訃報を知った場合などは、遺族に弔問に行ってよいか確認しましょう。

●弔問に行く前に
弔問に行く前に必ずしなければならないのは、遺族に連絡をするということです。
事前に遺族に連絡をして、弔問に行ってもいいかをまず訊いてから日時を決めます。
弔問を断られたら決して無理に行かないようにしましょう。
弔問は、こちらが行きたい気持ちではなく、遺族の気持ちがとても大事だからです。
弔問に行くことになったら日時を決めますが、日時に関しては遺族に合わせるようにしましょう。

●弔問に行くときの服装
弔問に行くときは、喪服ではなく平服で行くのがマナーです。
喪服で行くと、遺族はどうしても葬儀の時の気持ちを思い出してしまいます。
ただ、平服といっても派手な色柄の入っている服や、カジュアルな雰囲気の服装は避けましょう。

男性はビジネススーツやジャケットにパンツ、女性は落ち着いた色のワンピースやアンサンブルスーツなど、喪服ではないけど地味であらたまった色の服で行きます。
線香をあげるときなどに座敷に正座することもありますので、女性がスカートを履いて行く場合は正座をしても膝が出ない丈のスカートを選びましょう。

また、服装と同様、アクセサリーやメイクも落ち着いた印象にすることが大事です。
着けていても良いアクセサリーは男女ともに結婚指輪だけだと思ってください。
それ以外のアクセサリーは大小や材質に関わらずはずして行きましょう。
そして、派手なメイクは避けて、アイシャドウや口紅は落ち着いた色のものを選びます。

服に合わせて、靴やバッグも派手なものや光沢のある物は避けましょう。
ベーシックな色とデザインのものを選び、家に上がることも考えて靴下やストッキングを履いて行きます。

悲しい気持ちを思い出させる喪服は避けるべきですが、あくまでも故人を偲んでお悔やみの気持ちを伝える場だということを忘れないようにしましょう。

●弔問に持っていくもの
弔問には以下のようなものを持っていきます。

①香典
葬儀から日をあけて弔問に行くときは香典を持っていきます。
仏式で四十九日までに弔問に行く場合の表書きは「御霊前」、四十九日以降の表書きは「御仏前(もしくは御佛前)」となります。
香典の金額は、葬儀や通夜に参列する場合と同じ額を包みます。
葬儀後の弔問客に対しても遺族側は香典返しをしますので、遺族の負担を考えて高額過ぎる金額は避けるか、最初から香典返しを辞退するのも良いでしょう。

②手土産やお供え物
弔問に行くときは、菓子折などの遺族への手土産は絶対必要というわけではありません。
ただ、仏前に供えるお花やお菓子、果物などはぜひ持っていきましょう。
お供えの品は、高額だと遺族に気を遣わせることがありますので、3,000~4,000円ほどの日持ちのするものを持っていくと良いです。
お供えのお花は白一色や、白を基調としたなかに派手すぎない色を入れたアレンジなどがおすすめです。
四十九日以降に弔問に行く場合は、「いかにも供花」というイメージの花よりも、落ち着いてやさしい色合いのアレンジにするのも気がきいています。
トゲのあるバラや香りの強い花は供花には向かないと言われていますが、それらが故人の好きな花ならば、その旨を遺族に伝えてお供えしましょう。

③数珠は持参するもの?
弔問に行くときは、自分の数珠を持っていくのが一般的ですが、故人や遺族が仏教ではない場合は持っていかなくてもかまいません。

弔問時のマナーと注意点

弔問は、あくまでも遺族の気持ちを優先するものです。
弔問に行く側の気持ちを押しつけたり、自分のしたいことを無理強いしたりすることは避けましょう。

では、弔問に行った時の流れやマナーについて具体的にお話しします。

①訪問をしてからの挨拶
まずは遺族に「このたびはご愁傷様でした」と挨拶をします。
「せっかく故人の家に行ったのだから仏壇に手を合わせて線香をあげたい」と思うかもしれませんが、弔問に行った側から「線香をあげたい」とか「家に上がりたい」などということは避けます。
遺族が家に上がってほしくなさそうだったら、玄関先でお悔やみの言葉を伝えて香典やお供えを渡して失礼しましょう。

②家に上がったら
遺族から家に上がるよう言われて、線香をあげた後に香典やお供えを渡して、遺族にお悔やみの言葉を告げます。
そのあとは、故人を偲んで思い出話を少しする程度で、長居は避けます。

③お悔やみの言葉に関して
遺族にお悔やみを言ったり、故人の思い出話をしたりするときには避けたほうがいい言葉や話題があります。

・死因や死亡した時の状況はきかない。
何が原因で亡くなったのか、亡くなったときどんな状況だったのか、など、故人の死に関することを質問するのは避けます。

・生死に対する直接的な表現は避ける。
「死ぬ」ではなく「お亡くなりになる」、「生きているとき」ではなく「お元気なとき」など、遺族に配慮した言葉を使いましょう。
また、「大往生」や「天寿をまっとうした」などは、遺族が使う言葉ですので、弔問客はこの表現を使わないように気をつけてください。

・忌み言葉や使わない。
不吉な言葉や不幸が続くことを連想させる言葉、また重ね言葉などを「忌み言葉」と言います。
不幸が続くことを連想させる言葉としては「再び」「繰り返し」「続いて」「追って」「再三」などがあります。
また、重ね言葉としては、「重ね重ね」「たびたび」「くれぐれも」「ますます」「いよいよ」などがあります。
これらの言葉は弔問の場では使わないようにしましょう。

弔問に行かないほうがいい場合

お悔やみや感謝の気持ちを伝えたくて行く弔問ですが、行かないほうがいい場合もあります。
それが、以下のようなときです。

●遺族から訃報の連絡がなかったとき
新聞や知人の話などで訃報を知っただけで、遺族から訃報の連絡を受けていない場合は、自分から弔問に行きたいと申し出るのは避けます。
訃報を広く知らせなかったのは、葬儀の参列者や弔問客への対応に関する負担を減らしたいという遺族側の意向です。
その気持ちを汲むことが大事です。

弔問に行くのは、あくまでも「遺族から訃報の連絡を受けたけど、葬儀に参列できなかった場合だけ」です。

●遺族から弔問を辞退されたとき
葬儀が終わっても法要などがあるので、遺族にはとても負担がかかっています。
また、気持ちの整理がつかなくて人に会う気持ちになれないときもあります。
遺族から「弔問はしないでほしい」と言われている場合は、遺族の気持ちを最優先して弔問は控えるべきです。
どうしてもという場合は、お供えのお花や香典に手紙を添えて送る方法もあります。

弔問客を迎えるときは?

では、最後に弔問客を迎える側になったときにどうするかについてお話ししたいと思います。

●弔問客の気持ちに応える。
お別れの挨拶をしたいという弔問客側の気持ちはありがたく受けましょう。
弔問客側も自分の気持ちに一区切りつけたいのだという気持ちを大事にして、できるだけ都合をつけて受け入れるようにします。

弔問客側は遠慮して玄関先で挨拶をして香典を渡して帰ろうとする場合もありますが、可能ならば「線香をあげていただけませんか」と声をかけましょう。
ただ、相手の都合もありますので、断られた場合は無理強いする必要はありません。

線香をあげてもらったあとは、少し話をすることがほとんどですので、あらかじめお茶とお菓子を用意します。
弔問客が帰るときは、弔問に来てくれたことと故人が生前お世話になったことに対してお礼を言いましょう。

●返礼品を渡す。
弔問客からいただいた香典やお供えの品に対しては、返礼品を渡すのがマナーです。
弔問の場合は事前に日程がわかっていますので、その日に渡せるように用意しておきましょう。
通夜や葬儀の準備をするときに弔問客の分もあわせて多めに用意しておくと改めて用意をする手間が省けます。

弔問のときにいただいた香典に関してはいくら包んであるかわかりませんので、2,500~3,000円程度のものを用意しておきましょう。
弔問時の返礼品も葬儀のときの返礼品と同様、日持ちがするお菓子や日本茶やコーヒーなどが良いでしょう。
ほかにタオルや石鹸など、日常的に使用できるものも良いです。

弔問客に返礼品を手渡す場合は、直接お礼を言えるので、お礼状を添える必要はありません。
その場で渡すのではなく、後日返礼品を送る場合は、弔問に来てくれたお礼状を品物に添えて送ると良いでしょう。

葬儀後の弔問について

都合がつかず葬儀に参列できないこともあると思います。
お別れの挨拶も焼香もできずにいると、自分の気持ちに区切りをつけることができません。
故人にどれだけお世話になったか、故人にどれほど感謝しているかなどを、遺族に伝えたいと思うことでしょう。

しかし、弔問客を受け入れるということは遺族にとって心身の負担になることがあります。
気持ちの整理をつけた後の弔問で、悲しみが新たになることもあります。
弔問は「気持ちを伝えたい」という弔問客側の気持ちではなく、遺族の気持ちを最優先しなければなりません。

もしも遺族が弔問を受け入れた場合は、心をこめてお悔やみの言葉を伝えましょう。