仏花の供え方と種類や選び方について

~意外と知られていない仏花の意味~

仏教において、花はお香や灯籠などと共に、故人や先祖の霊を供養するための大切なお供えです。同時にお供えした人の心を穏やかにするためにも使われるといわれています。しかし、どのようなお花を、どのようにして飾れば良いのかはよくわからないのが通常ではないでしょうか。仏花をお供えする意味からお花の供え方、選び方などを紹介します。

仏花について

(1) 仏花とは
仏花とは、仏壇に供えるお花の意味です。お墓参りにお供えする花も同じように呼びます。

(2) 仏花を供える意味
仏壇に仏花をお供えする意味は、「仏様への誓い」が主な要素です。人々が厳しい修行に耐え忍ぶということを、厳しい自然環境にも耐え忍んで咲き誇る花の姿になぞらえて仏様に宣誓する意味を込めて、お花を仏前にお供えをするようになったとされています。

仏教においてのお花・仏花は、お香や灯籠などと同じように仏への尊敬や、故人や先祖の霊を供養するために重要な役割を果たすものです。

仏花の供え方、種類、選び方

(1) 仏花の供え方
①お花をいける花立と三具足と五具足
仏教のあらゆる儀式に「仏具」が用いられますが、中でも重要な仏具である香炉、燭台、そして花立の3つを「三具足」と呼びます。具足とは法要などで使う道具という意味です。
香炉には線香を設置して燭台にはろうそくを用い、花立に仏花をさすのが通常です。この3つを横に並べる三具足と、香炉を中心に燭台と花立を一対ずつ並べる五具足の2パターンがあります。

なお、三具足では、本尊から向かって左から仏花、真ん中に線香を置き、右にろうそくを設置するのが正式な飾り方です。仏花は花立に差して、線香は香炉に入れて、ろうそくは燭台に立て、本尊の前に横一列に並べます。
五具足では、やはり横一列に並べますが、香炉(線香)以外を1対用意するのが通例です。本尊から向かって中央に線香を設置して、その両側にろうそく(燭台)を1対配置します。そこからさらに外側に、仏花を設置します。

三具足を用いるか五具足を用いるかは、宗派によって異なる場合があります。

②仏花の供え方
・仏花を供える場所
仏壇やお墓の左右両脇に花を供えるのが一般的です。
・仏花は左右1対で供えるのが基本
仏花は左右1対で供えるのが基本です。
・花の本数は奇数
左右の花瓶の花の本数が同じ奇数になるように供えます。3本や5本、7本などが基本であり花屋で販売されている仏花の花束もあらかじめ奇数となっています。左右2箇所に供える場合は、同じ本数の束を2セット用意します。
・花の向き
仏花をお供えする際、花の表側を礼拝する側に向けてください。仏様や故人のためにお供えするものであるため礼拝者の反対側に向けるべきではないかと思うかもしれませんが、仏花は仏様の慈悲の心を表すものであり、礼拝者側に向けるようになったと考えられています。
・花の色
仏壇に供える花の色は、3色あるいは5色といわれています。
3色の場合は、白、黄、紫の3つです。
5色の場合は、白、黄、紫、ピンク、赤の5つです。
四十九日までは3色、四十九日を過ぎてからは5色とするのがよいとされています。

(2) 仏花の種類と選び方
供養に使用する花の種類に厳密な決まりはないもののいくつかのポイントがあります。
長持ちすることと香りがきつくないこと、毒を持つ植物でないことなど条件を守れば比較的自由に選ぶことができます。近年では故人の好きな花を飾っても良いという考え方も徐々に浸透していて、ある程度自由に選べる風潮が広まりつつあるのが現状です。

①仏花に適した花
宗派問わず広く普及しているのが「長持ちする花」です。
長持ちする花の代表的なものといえば、お墓へのお供え物でもよく見かける「菊」です。
中でも和風・洋風問わずアレンジできるため、広い用途で用いられているピンポン菊は特に長持ちします。丈夫なだけでなく、香りと丸い形が人気の品種です。

この他にカーネーションやスプレーマムなども長持ちする花であるため、仏儀においても広く使われています。常に栽培されているため1年を通じて市場に常備されていること、水はけが良いこともよく用いられる理由です。

色に関しては、四十九日までは白い花を飾るのが一般的とされています。忌明けまではカラフルな色ではない白を含む3色を、この期間が過ぎれば、白色の他に黄色や紫、赤やピンクといった5色が使われます。

②仏花に適さない花
仏花に適さない花としては、バラや彼岸花が挙げられます。バラの特徴の1つである「トゲ」は、殺生をイメージさせるため仏教的に良くないと考えられているからです。
彼岸花は毒を持つ花であるという点が、良くないとされる点です。同じくトゲがあるアザミや、鉄砲百合など一部の品種の球根に毒が含まれる百合も仏花に適していません。他にも自立できないという理由からツル状の植物や、香りが強い植物も適さないとされています。

③造花
仏花は生花でなければいけないということはありません。正式の法要などでは生花が良いですがそれ以外の場合は造花でも構いません。大切なのは故人や仏様への気持ちというのが仏教の基本的な考えとなります。そのため造花でも生花でも、供養する気持ちなどご先祖に対して心がこもってさえいればどちらでも構いません。

仏花を長持ちさせるには?

(1) 仏花を長持ちさせる方法
どうしても1・2週間でかれてしまう花ですが仏花を長持ちさせる方法が課題です。方法としては次のようなものがあります。
①こまめに水を取り替える。
バクテリアが繁殖する前に水を取り替えれば常に水はとてもきれいです。
②ななめによく切れるカッターで茎を切る。
ななめに切ることで、水分を吸い取る面積が多くなり水分不足を解消できます。
切れ味が悪いと、茎がつぶれて水分を吸収しづらくなってしまいます。
③水に浸る部分の葉っぱを取る。
葉っぱの部分が水に浸ってしまうと細菌が増える原因になります。
④水を少なめにする。
水をいっぱいいれるとボウフラがわく場合もあり、茎が傷んで花がダメになってしまう原因にもなります。水は浅めに3~5cmあれば十分です。
⑤10円玉をいれる。
10円玉に限らず、銅をいれれば大丈夫です。銅には、銅イオンという殺菌作用があります。
殺菌作用でバクテリアの繁殖を防ぎ、仏花が長持ちします。大体10円玉2~3枚で効果がでるといわれています。
⑥延命剤を使う。
ホームセンターで購入可能な延命剤は、仏花に大切な栄養と、バクテリアの繁殖を防ぐ殺菌作用があり効果があります。
⑦洗剤を使う。
普段使っている食器用洗剤、中性洗剤で大丈夫です。洗剤の殺菌効果で、バクテリアの繁殖を防げます。入れるのは1滴程度にしてください。また酸性洗剤を選ぶと花瓶が金属の場合腐食したり、さびたりする場合があります。
⑧炭酸水を使う
炭酸水にも殺菌作用があります。炭酸が強すぎると長持ちせず枯れてしまうので微炭酸にします。飲み物で砂糖を含んでいる物はダメです。バクテリアの繁殖する原因になります。
⑨花瓶をこまめに洗う。
ぬめりがあったら完全にとれるまでしっかり洗ってください。花瓶を清潔に保つことで、バクテリアの繁殖を防ぐことができます。

(2) プリザーブドフラワー
お花は造花以外にプリザーブドフラワーでも構いません。プリザーブドフラワーは、生花に特殊な加工を施し、生花のままの色や形を長期間維持したものです。見た目は生花とまったく同じですが、枯れることがないものです。毎日生花を飾れないときの代用として用いるのが一般的です。

保存性が高いため仏花としても長期間お供えし続ける事が可能(水やりやお花の取替えといった手間やコストを低く抑えられる)になります。

また、プリザーブドフラワーは、生花に負けず劣らない美しさがあり、無機質な違和感はありません。今後より活用されても良いでしょう。

仏花の供え方と選び方の基本

(1) 仏花を供える機会
近々の仏花を供える機会を考えます。お墓参りであれば通常の形態で構わないでしょう。彼岸の時期であれば花屋さんでも仏花を販売しています。法要の時期であればやや予算はともないますが華やかになるように多めのお花を用意します。

(2) 仏花の供え方の基本は知っておくこと。
仏花は左右1対で、花の本数は奇数、花の向きは花の表側を礼拝する側に向け、花の色3色あるいは5色などについ知っておくと良いでしょう。

(3) 仏花に適した花、適さない花について知っておくこと。
仏花に適した花は、長持ちする花で、菊を代表に、カーネーションやスプレーマムなどがあります。また、仏花に適さない花としては、トゲや毒のあるもので、バラや彼岸花が挙げられます。バラやアザミにはトゲがあり、彼岸花や鉄砲百合などには毒が含まれるとされています。他にも自立できないという理由からツル状の植物や、香りが強い植物も適さないとされています。

まとめ

(1) 仏花について
仏花とは、仏壇に供えるお花の意味です。お墓参りにお供えする花も同じように呼びます。
仏教においてのお花・仏花は、お香や灯籠などと同じように仏への尊敬や、故人や先祖の霊を供養するために重要な役割を果たすものです。

(2) 仏花をいける花立は基本となる仏具であること。
お花をいける花立は基本的な仏具である三具足と五具足に含まれる大切な位置づけのものです。香炉、燭台、花立の3つが「三具足」です。三具足に香炉を中心に燭台と花立を一対ずつ左右に並べるのが五具足です。

(3) 仏花の供え方の基本
仏花は左右1対で、花の本数は奇数、花の向きは花の表側を礼拝する側に向け、花の色3色あるいは5色です。

(4) 仏花に適した花、適さない花
仏花に適した花は、長持ちする花で、菊を代表に、カーネーションなどです。仏花に適さない花としては、トゲや毒のあるもので、バラ、アザミや彼岸花、鉄砲百合、ツル状の植物、香りが強い植物などがあります。

(5) お花は正式の法要以外では、造花、プリザーブドフラワーでも構いません。
お花は、供養する気持ちさえあれば、造花、プリザーブドフラワーでも構いません。ただし、正式の法要では生花が望ましいでしょう。

仏花の供え方、種類、選び方の3つのポイント

(1) 仏花は法要における仏壇、お参りするお墓で重要
仏教においてのお花・仏花は、仏への尊敬や、故人や先祖の霊を供養するために重要な役割を果たすものです。そして、お花を生ける花立は「三具足」、「五具足」と言われる基本となる仏具です。

(2) 仏花は左右1対で供え、花の本数は奇数
仏花は左右1対で供え、かつ、左右の花瓶の花の数が同じ奇数になるように供えます。3本や5本、7本などが基本です。
仏壇に供える花の色は、3色あるいは5色といわれ、3色の場合は、白、黄、紫の3つで、5色の場合は、白、黄、紫、ピンク、赤の5つです。四十九日までは3色、四十九日を過ぎてからは5色とするのがよいとされています。

(3) 仏花の代表は菊
仏花は長持ちすることが望ましいとされています。菊を代表にカーネーションなどがあります。

お墓参りの時に花屋で仏花を求める場合、対になっていない花束の場合は、お墓の花立にいける時に左右バランスがとれるように花束を2つに分けていけます。茎が長い場合は切っていけます。鋏を用意しておくと良いでしょう。また、お墓参りで帰った後、お花は枯れると大変汚いものです。枯れ汚れたまま放置される危険性があります。そのことを考えて、墓参りの場合は造花、ブリザードフラワーにあえてする人もいます。