位牌を一つにまとめる方法と注意点について

~位牌が多くなりすぎた時、複数の位牌をまとめることができます~

仏壇にはご先祖や亡くなった故人の位牌が祀られます。位牌というのは世代が移りゆく度に増えてゆくものです。位牌の数が増えると仏壇が狭くなります。このように位牌が多くなりすぎた時、複数の位牌をまとめる方法があります。位牌を一つにまとめる位牌まとめの方法と注意点などを紹介します。

位牌まとめの方法と注意点

(1) 位牌を一つにまとめるとは
一般的に、位牌は故人一人に対し一基と思われがちですが、実は、位牌をまとめることがあります。位牌を一つにまとめるということが、故人に対して失礼になるのではと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、決して悪いことではありません。
ただし、位牌をまとめるにあたり、まとめる形や開眼供養(魂入れ、性根入れ)や閉眼供養(魂抜き、性根抜き)など寺院の僧侶にお願いすることとタイミングがあります。言い換えると、きちんとした方法で位牌をまとめることが大切です。

(2) 位牌まとめの方法と注意点
位牌をまとめる方法としては主に、「先祖位牌」「回出位牌(くりだしいはい)」「夫婦位牌(めおといはい)」などがあります。

①先祖位牌
先祖代々の位牌を全て仏壇に安置するには限界があります。そのため、昔から「先祖位牌」という、位牌を一つにまとめる方法が取られてきました。
「〇〇家先祖代々之霊位」などと書かれた位牌が「先祖位牌」となります。
ご先祖の位牌を一つにまとめるため、「先祖位牌」として新しく位牌を作り仏壇に安置します。

■先祖位牌の注意点
先祖位牌を作る上での注意点は次の通りです。

a. 先祖位牌に切り替える時期
先祖位牌に切り替える時期は、三十三回忌や五十回忌などの弔い上げの後となります。弔い上げをもって、それ以降の仏事は行わず、年忌法要は終了ということになります。葬儀が終わり、四十九日法要で白木位牌から本位牌にするタイミングで、直接、先祖位牌にまとめることはできません。

b. 先祖位牌の裏面
先祖位牌の表面には「○○家先祖代々之霊位」と入れます。その上に「梵字・冠文字」を入れる宗派もあります。また、先祖位牌の裏面には何も書きません。一般的な位牌の裏には俗名や亡くなった年月日、年齢(享年)を入れますが、先祖位牌の場合は、複数の方をお祀りしていますので何も入れません。

c. 過去帳について
菩提寺の僧侶にお願いをして、位牌をまとめるご先祖様の戒名を過去帳に写しかえてもらいます。過去帳を作ったら、「見台」という仏具に乗せてお祀りします。

d. 開眼供養と閉眼供養
新しい位牌は開眼供養を行い、古い位牌は閉眼供養を行いお焚き上げして頂きます。古い位牌には魂が宿っていますので、閉眼供養を行わずに処分することは控えます。

②回出位牌 (くりだしいはい。繰出位牌と書かれる場合も)
回出位牌とは箱型をした少し大きめの位牌で、中に数枚の札板が入っているものです。
回出位牌を使うと、一枚一枚の札板に、ご先祖や故人の戒名・没年月日・俗名・享年をそのまま書き写すので、過去帳などを使う必要はありません。

ひとつの位牌に10枚前後の札板の収納が可能です。
札板は一番上に「〇〇家先祖代々之霊位」と書いた札を置き、1つにまとめた位牌であることが分かるようにします。そして二番目の札からは、命日が近い順番に札板がくるよう入れておきます。そして命日が過ぎたら一番後ろに回します。命日が近い順にご先祖の札板を出していくことから「回出位牌」と呼ばれています。

ただし、浄土真宗の場合は、位牌を作らない代わりに過去帳を作りますので、注意が必要です。

■回出位牌の注意点
回出位牌を作る上で注意したいのは次の点です。

a. 板札への記載
板札への記載は、僧侶に行ってもらうのが一般的です。
菩提寺がない場合は、仏具店などにお願いすることになります。

b. 回出位牌の順番の入れ替え
回出位牌は、ご先祖の命日に合わせて順番を入れ替える必要があります。
命日とは、訟月命日(しょうげつめいにち)と月忌命日(がっきめいにち)の両方となります。訟月命日とは、故人となった月日のこと、月忌命日とは故人となった日のことになります。

c. 開眼供養と閉眼供養
新しく札板を入れたら開眼供養を行い、古い位牌は閉眼供養を行いお焚き上げして頂きます。

③夫婦位牌
夫婦連名で作る位牌のことを「夫婦位牌」と言います。1基の位牌に、2人の戒名を連名で入れます。表面には戒名を入れ、裏面には没年月日、年齢、俗名などを入れます。
一般的な位牌よりも記載する行数、文字数が多くなるため、4寸以上のサイズがお勧めとなります。
夫と妻のお位牌への名入は、宗派や寺院で異なる場合がありますので事前の確認が必要です。
夫婦位牌には、ご夫婦の戒名や命日などを並べて文字入れできるよう、札幅が横に長い「巾広位牌」が使われます。

■夫婦位牌の注意点
a. 位牌のサイズ
夫婦位牌は2人分の情報が記されるため、一般的な位牌よりも大きなサイズとなります。
仏壇に十分に収納できるかどうか、作成前には置き場所のサイズも確認しておきます。

b. 夫婦位牌を用意するタイミング
夫婦のどちらかが亡くなった時に作り、もう片方が亡くなった時に戒名等を追記するケースと、最初は1人用の位牌としておき、夫婦二人とも亡くなったタイミングで夫婦位牌に作り変えるケースとがあります。

c. 文字の入れ方
交差型と真裏型の2種類があります。
●交差型
表面・裏面どちらも、向かって右側に男性の名前、左側に女性の名前を入れる方法です。
●真裏型
表面は向かって右側に男性の名前、左側に女性の名前、裏面は向かって右側に女性の名前、左側に男性の名前を入れる方法です。
よく使われるのは真裏型です。

そのほかの注意点と費用について

(1) 位牌の供養
位牌をまとめる際には、古い位牌と新しい位牌の供養をする必要があります。
供養は、僧侶に自宅まで来ていただくか、菩提寺に今まで使っていた複数の古い位牌と新しい1柱の位牌を持っていって執り行われる儀式です。

①位牌の閉眼供養
まず位牌をまとめる場合には、これまで使っていた位牌から故人の魂を抜いてもらう「閉眼供養(へいがんくよう)」という儀式をする必要があります。
この儀式は宗派や地域によって、お性根抜き(おしょうこんぬき)や「魂抜き」など色々な名前で呼ばれます。

②古い位牌の処分
閉眼供養をした後の古い位牌は、そのままお寺で処分していただくことも可能です。その場合は「お焚き上げ」という焼却処分がされます。

③位牌の開眼供養
新しく作った位牌は「開眼供養(かいげんくよう)」と呼ばれる供養をすることで、初めて真のお位牌としての役割を持つようになります。
閉眼供養の時の反対で、僧侶に位牌に故人の魂を入れていただきます。

(2) 記録のための過去帳の用意
位牌は先祖様の記録の役割もあります。先祖位牌に合祀すると記録がなくなるため、別に過去帳をつくり戒名や没年月日、俗名を写しておきます。

(3) 位牌まとめの費用
①先祖位牌、回出位牌の費用
先祖位牌、回出位牌を作るために必要な費用は以下となります。
(位牌)
位牌の素材、装飾、文字入れの方法によって異なります。相場として2万円〜5万円位です。(お布施)
新しい位牌の開眼供養および古い位牌の閉眼供養とお焚き上げを行います。お布施として、1〜5万円位が相場となります。また、僧侶に自宅にお見え頂く場合は、お車代として5千円〜1万円程度を別途お渡しします。

②夫婦位牌の費用
夫婦位牌を作るために必要な費用は以下となります。
(位牌)
位牌の素材により異なり、相場として6千円〜2万円台となります。
(お布施)
夫婦位牌は四十九日法要後に作る場合と二人が亡くなられてから作る場合があります。
いずれの場合も開眼供養の費用として、1回あたり1〜5万円位です。また、僧侶に自宅にお見え頂く場合は、お車代として5千円〜1万円程度を別途お渡しするのが一般的です。

*先祖の位牌まとめをする家は
家制度が崩壊し核家族化した現在では先祖の位牌が数多く仏壇に飾ってある家はどの程度あるかです。やはり地方などで古い家のいわゆる本家などでしょう。菩提寺との関係も古く必要性があるでしょう。

*夫婦位牌のニーズ
先祖位牌と違い、夫婦位牌は必ずしも仏壇が位牌でいっぱいになるということから必要性があるだけでもありません。あの世に行ってからも夫婦仲良くいう願いもあるでしょう。

位牌まとめの準備

(1) 家の位牌の状況についての確認
先祖の位牌がどの程度あるかを確認します。また、仏壇の大きさからいっぱいになっているかどうかも確認します。

(2) 親族への相談
お墓と位牌を守る立場であれば、位牌まとめが必要と思われたら近親の年長者の親族などに相談します。

(3) 菩提寺への相談
また、必要に応じて位牌まとめについて菩提寺の住職にも相談します。

まとめ

(1) 位牌まとめとは
位牌まとめとは、先祖の位牌が増え仏壇が狭くなった時などに位牌を1つにまとめることです。

(2) 先祖位牌とは
先祖位牌とは、表面に「〇〇家先祖代々之霊位」と書かれた位牌です。先祖位牌に切り替える時期は、三十三回忌や五十回忌などの弔い上げの後となります。裏面には何も書きません。

(3) 回出位牌とは
回出位牌とは、箱型をした少し大きめの位牌で、中に数枚の札板が入っており、一枚一枚の札板に、ご先祖や故人の戒名・没年月日・俗名・享年をそのまま書き写すものです。ひとつの位牌に10枚前後の札板の収納が可能です。

(4) 夫婦位牌とは
夫婦位牌とは、夫婦連名で作る位牌のことです。1基の位牌に、2人の戒名・法名を連名で入れます。表面には戒名を入れ、裏面には没年月日、年齢、俗名などを入れます。

(5) 開眼供養と閉眼供養
新しく札板を入れたら開眼供養を行い、古い位牌は閉眼供養を行いお焚き上げして頂きます。

# 位牌まとめの方法と注意点3つのポイント

(1) 位牌を一つにまとめるのは悪いことではない。
位牌を1つにまとめるのは縁起が悪いようにも考えられますがそういうことはありません。

(2) 位牌まとめの方法
位牌まとめの方法には、「先祖位牌」「回出位牌」「夫婦位牌」などの方法があります。自分の家の仏壇と位牌の状況やニーズから決めます。

(3) 位牌まとめの注意点
先祖位牌に切り替える時期は、三十三回忌や五十回忌などの弔い上げの後となります。
回出位牌は、ご先祖の命日に合わせて順番を入れ替える必要があります。

先祖の位牌まとめをすると家の過去帳を作り記録しておくことが大切です。過去帳とは、先祖代々の戒名や俗名、生没年月日を記した帳面です。古い家では代々の記録となり貴重な先祖のデータベースとも言えるでしょう。