年忌法要の種類と準備について

~法要のための準備やその意味を詳しく解説~

法要を主催する施主になった場合については、多くの人は経験がないために分からないことが多くあります。年忌法要(ねんきほうよう)とはどのようなもので、いつ行うのか、どのように行うのか、また、その準備について紹介します。ただし、年忌法要とはあくまでも仏教儀式ですのでその他の宗教の場合は異なります。

1.年忌法要について

(1) 年忌法要とは
年忌法要とは亡くなった人を偲び供養(死者の冥福つまり死後の幸福を祈って行うこと)を行う仏教の宗教的儀式で、初七日から四十九日までの法要を追善供養(ついぜんくよう)と言い、四十九日の忌明けとなった後の供養を年忌法要と呼びます。年忌法要は、命日から一年目、三年目、七年目など節目となる年ごとに行われます。

(2) 年忌法要のいわれ
もともと仏教発祥の地インドでは死者のための儀礼や年忌法要はありませんでした。しかし、仏教がインドから中国に渡った後に変化が起き、中国の道徳思想や儒教的な基盤である「孝」の考え方と仏教は深く結び付くことになったと言われています。そこから、亡くなった人(親)に対して祈りをささげ、その供養をするという考え方の元になる年忌法要が行われるようになりました。

ただ、当初の年忌法要は現在の年忌法要とは異なり、亡くなった人間は四十九日までに生まれ変わるという考え方から、四十九日までの法要が重視され、鎌倉時代までは3回忌までとされていました。
その後、時代が経つに従いさらに年忌法要が加わり、7年・13年・33年の回数が加わり、江戸時代には、23年・27年・50年が加わり、現代ではさらに、37年・43年・47年が加わる場合があります。
年忌法要の期間、回数が増えてきたのは寺院側の事業としての都合によるものと考えられます。

(3) 年忌法要の種類
現在の四十九日忌以降の年忌法要には次のようなものがあります。
①一周忌  ・・・ 死去の日から1年目の法事
②三回忌  ・・・ 死去から満2年の法事
三回忌からは回忌という数え方になります。
③七回忌  ・・・ 死去から満6年の法事
七回忌以降の法事は家族、親族など内輪だけですることが多いです。
④十三回忌  ・・・ 死去から満12年の法事
⑤十七回忌  ・・・ 死去から満16年の法事
⑥二十三回忌 ・・・ 死去から満22年の法事
⑦二十七回忌 ・・・ 死去から満26年の法事
⑧三十三回忌 ・・・ 死去から満32年の法事
年忌法要は三十三回忌で、弔い上げとする事が多くありますが、弔い上げの時期は各家族の考え方によって変えても問題はないとされています。ただし、七回忌程度までは行うのが基本と考えられています。

*回忌の数え方・・・年忌法要は、一周忌(これのみ翌年となる)を除き、その人が亡くなった年から数え、三回忌は亡くなって満2年となります。三回忌以降は数え年となります。
*法要の開催日
実際には亡くなった当日に年忌法要が行われることは極めて少なく、多くの場合はその周辺の土日が開催日時となります。
なお、開催日は、原則として前倒しすることはあっても、後ろ倒しにすることはあってはならないと考えられています。弔事は先送りにしてはならないとされているためです。ただし、現代の多忙な時期では、どうしても都合がつかないのであれば、後ろ倒しにする場合もあります。

(4) 年忌法要には誰を呼ぶか
年忌法要には誰を呼ぶかですが、回忌によって異なります。
まず、三回忌までは家族だけでなく親族、近親者まで呼ぶことが多く、それ以後は、家族のみか家族に加えた近親者で行うと考えられています。しかし、最初から家族、近親者のみの場合もあります。

2.年忌法要の種類と準備の現状

施主側(遺族側)の年忌法要の準備(一周忌・三回忌・十三回忌など)には現状では次のようなことがあります。

(1) 年忌法要の準備

①菩提寺への連絡
住職へ相談して日程を決めます。参列者が集まりやすい土日で行う場合が多く、早めの日程調整が必要です。

②法要の場所を決める
自宅や菩提寺あるいは法要施設のある霊園などで行います。

③会食の場所を決める
法要後の会食を行う場所や招待する人数を決め、会場と料理を予約します。

④案内状もしくは電話連絡
人数が多い場合は案内状で、少ない場合は電話で、出席者を確認します。

⑤用意するものの準備
必要に応じお寺とも相談し必要なものを準備します。
a. お供え物
果物やお菓子などが挙げられます。
b. お花
お花は生花で、白や黄色の菊が一般的です.
c. 卒塔婆
必要かどうかはお寺と相談して決めます。
d. 引き出物
参列者に渡します。お菓子などです。また、引き出物を出さない場合もあります。
e. 故人の遺影写真
遺族の意思次第ですが、故人の遺影を会食の時などにも飾る場合があります。

⑦お寺から会食場所への移動手段の確認
(自家用車で移動なのかタクシーを呼ぶのか、移動不要なのかの確認)

(2) 当日の法要の進め方
会場に着いたら、お供え物やお花を飾ります。その後法要を進行します。

①僧侶による読経
②参列者による焼香
③僧侶の法話
④お墓参り(菩提寺で行う場合)
⑤施主による御礼挨拶
⑥献杯
⑦会食
⑧施主による終わりの挨拶
⑨引き出物を渡して解散(ない場合もあります)
※僧侶が同席の場合は、僧侶は上座へご案内し遺族は下座に着席します。

(3) 仏教以外の年忌法要的な行事について

年忌法要の考え方は仏教のものですが、それ以外の宗教でも似たような儀式はあります。
①キリスト教
キリスト教の場合、カトリックかプロテスタントかで考え方が異なります。

a. プロテスタントの場合
1年目・3年目・5年目・7年目のタイミングで、追悼集会を行います。お布施に代わるものとして「記念献金」があります。これは教会に渡すことになります。牧師に対しては、「御礼」と「御車代」をお渡しすることとなります。

b. カトリックの場合
追悼ミサが1年後に行われます。それ以降は特に定めはありませんが、命日にミサを行うやり方がよくみられます。
また、10年ごとに盛大なミサを開きます。ミサでは、聖書の読み上げ等が行われます。謝礼は「ミサ謝礼」とされます。神父に渡すものは、カトリックで牧師に渡すものと同様です。

c. 神式の場合
神式は、仏教と似た考え方・似た儀式を行う場合もあります。神式においても100日目に行われる「百日祭」と呼ばれるものがあります。それ以外では、1年目・2年・3年目・5年目・10年目に儀式が行われます。そのあとは10年ごととなり、50年目の次は百年祭となります。

(4) 年忌法要時にかかる費用

①会場費、飲食費
②お供え物、お花代、引き出物代
③案内状費(印刷代、郵送費)
④僧侶への費用
a. お布施(一周忌法要の御経料の相場としては3万円~5万円)
b. 御膳料(会食に僧侶が欠席したときに渡します。5,000円~1万円程度)
c. お車代(僧侶に出向いてもらった場合に渡します。5,000円~1万円程度)
d. 塔婆供養料(必要な場合、3,000円~6,000円程度)

3.年忌法要の今後

(1) 年忌法要という宗教儀式の簡素化
年忌法要が長期化してきたのは寺院側の都合ではないでしょうか。遺族の側から年忌法要は負担があり、現代では三回忌もしくは七回忌までで構わないのではないかとの考えがあります。

(2) お墓の承継者がいない時代の変化
お墓の承継者がいない時代を迎えお墓への考え方が顕著に変化してきています。納骨堂や樹木葬などで他の人の遺骨と一緒に祀られる合祀墓の拡大です。お墓の承継者がいなくなるとは、先祖を供養するという仏教儀式も行われなくなってくるということです。お墓が、家のお墓から1代もしくは2代程度のお墓へ移ってきているということです。年忌法要は多くの場合、親の代について行う範囲になっていると思われます。

(3) 葬儀における直葬の増加
葬儀を行わず火葬のみを行う直葬がかなりの勢いで増加しています。葬儀自体を行わないのですからお寺との関係は薄くなります。お墓だけの問題です。お墓が公営・民営の霊園である場合は宗教と切り離され菩提寺が亡くなり檀家ではなくなるので、年忌法要との関係もなくなる場合が多くあります。自分で僧侶派遣サービスなどを利用しスポットで行わない限り儀式は行われません。

4.年忌法要の準備について

(1) 年忌法要の時期について確認すること。
遺族の側であれば親が亡くなってから何年という年数を確認します。
三回忌は、死去から満2年、七回忌は死去から満6年の法事で、数えで計算します。

(2) 近親者との相談
法要の年であれば必要に応じ親族の近親者でどのように行うのかを相談します。また、年忌の回数が多くなればいつまで行うのかも相談します。

(3) 宗派別にみる年忌法要の特徴について必要に応じて調べます。
年忌法要は仏教の儀式です。仏教にはたくさんの宗派があり、そしてそれぞれの宗派で法要のやり方や回忌の設定などが多少異なります。
特に特殊性があるのが、親鸞を開祖とする浄土真宗です。

①浄土真宗
浄土真宗の場合は、「年忌法要」の考え方がほかの宗派とは大きく異なります。
年忌法要の極楽浄土に旅立つための追善供養・極楽浄土に導かれるための法要という考え方はせず、亡くなった人はすぐに極楽浄土に旅立つという考え方です。そのため、年忌法要はあくまでも親族や家族で集まって故人を偲ぶために行われます。
浄土真宗の年忌法要は一周忌・三回忌・七回忌・十三回忌・十七回忌・二十三回忌・三十三回忌を行い、三十三回忌を弔い上げとします。

②真言宗
一周忌から十七回忌まではどこの地方でも行います。それ以降は、二十三回忌と二十七回忌が省略される代わりに、二十五回忌が営まれます。
弔い上げの時期は、三十三回忌です。ただ三十三回忌で弔い上げとした場合でも、五十回忌や百回忌、あるいは百五十回忌などの遠忌などを行う場合もあります。

その他、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗などは、一周忌から十七回忌までを行い、それ以降は宗派により多少異なります。

(4) 菩提寺との相談
その他分からない点は菩提寺と相談します。
具体的な準備は2の「年忌法要の種類と準備の現状」を参照してください。

(5) 年忌法要に参加する際の服装
遺族は、礼服(喪服)を着ます。基本的に男性は黒の上下に黒のネクタイ、女性は黒のスーツやワンピース、黒のストッキング、男女ともの黒の靴や鞄を持ちます。時計やアクセサリーは光るものを避けます。ハンカチは白の無地を用意します。子供や学生は、制服があれば制服を着用します。黒や紺、グレー系をベースに白のシャツやブラウスを身に着けます。

5.まとめ

(1) 年忌法要とは
年忌法要とは故人を偲び供養を行う仏教の宗教的儀式で、初七日から四十九日までの法要を追善供養と言い、忌明けとなった後の供養を年忌法要と呼びます。

(2) 年忌法要の回数・種類
年忌法要は、命日から一年目、三年目、七年目など節目となる年ごとに行われます。
①一周忌  ・・・ 死去の日から1年目の法事
②三回忌  ・・・ 死去から満2年の法事
③七回忌  ・・・ 死去から満6年の法事
④十三回忌 ・・・ 死去から満12年の法事
等があります。

(3) 年忌法要の終わり(弔い上げ)
年忌法要は三十三回忌で、弔い上げとする事が多くありますが、弔い上げの時期は各家族の考え方によって変えても問題はないとされています。ただし、七回忌程度までは行うのが基本と考えられています。

(4) 回忌の数え方
年忌法要は、一周忌(これのみ翌年となる)を除き、その人が亡くなった年から数え、三回忌は亡くなって満2年となります。三回忌以降は数え年となります。

(5) 年忌法要の準備
①菩提寺への連絡
②法要の場所を決める
③会食の場所を決める
をまず抑え、その後、参列者の確認、用意するものの準備をします。

6.年忌法要のための3つのポイント

(1) 年忌法要の時期を間違えないこと。
特に最初の一周忌は翌年で、三回忌は亡くなって3年目(満2年)となるので2年間続きます。その後の回忌数は数えで計算します。満では回忌数より1年少なくなります。七回忌は満6年ということになります。

(2) 菩提寺との打ち合わせが基本となること。
年忌法要では、時期の確認、僧侶の予定と主要な参列者の予定との日程調整、法要の進め方の確認、用意するものなど菩提寺との打ち合わせが基本となります。

(3) 年忌法要に誰を呼ぶかの確認
年忌法要に誰を呼ぶかを決めます。近年は葬儀も小規模化しており、年忌法要も近親者のみで行うことが多くなっています。

年忌法要については葬儀やお墓との関係から仏教寺院との関係から行われます。しかし、日本の仏教寺院は葬式仏教と言われるように葬儀を中心に形式化し、寺院経営のなりわいとして長期化している事実はあります。33回忌であれば32年間ですから、親が80歳で亡くなりその時に自分が50歳とし親の33回忌までやるとすれば、自分は82歳になっています。自分も死んでいるかもしれません。余りに長期間の年忌法要をやる意味はどこにあるのでしょうか?年忌法要の簡略化が望まれます。