樹木葬が注目される理由とは?~

その魅力を探ります!~

樹木葬が注目される理由とは?~

樹木葬について

樹木葬は埋葬方法の一種で、名前にある樹木の名の通り墓石ではなく樹木を墓標にする埋葬方法です。
この樹木葬の基本情報をまとめて紹介します。

①自然への回帰

一般的には「自然葬」の一種とも考えられていて、故人の肉体を自然に返すという意味でも選ばれています。
樹木を植える、もしくは既に植わっている付近を大切な場所にするということは、自然を愛し環境を愛することにもつながるため、放棄された山を樹木葬のための墓地にすることで有効活用しようという考え方もあります。
海洋散骨などの自然葬の人気が高まっているのと合わせて、樹木葬も人気が高まりつつあります。

②埋葬方法は主に2種類

樹木葬の埋葬方法は、埋葬するお骨ごとに苗木を植えていくタイプと、1本の樹の周囲に埋葬するタイプの2種類が主流です。
お骨ごとに苗木を植えていくものは、時の流れと共に木が育っていくことと、木が墓標代わりになることで故人の眠る場所を示すという意味もあります。
1本の樹の周囲を埋葬スペースにするタイプは、その樹のことを「シンボルツリー」と呼び、一般的なお墓でいうところの共同墓地のような存在になります。

③木の種類

樹木葬で選ばれる木は、その地域の気候に合って、周囲の生態系に悪影響の無い木が選ばれることになります。
シンボルツリーの周囲に埋葬する場合には、既にある木のそばに埋めることとなりますが、新しく苗木を植える場合には、いくつも種類ある中から故人の好きだった木を選ぶこともあります。
一般的には大きく育たない低木が選ばれることが多く、落葉樹が選ばれやすいようです。

樹木葬の現状

日本では樹木葬はどういった状況なのかを紹介します。

①日本の樹木葬はまだまだ始まったばかり

日本の樹木葬は個人のレベルであれば、ペットが亡くなった後庭先に埋葬する時に行われることは珍しくありませんでしたが、大々的に墓地が整備されるようになったりしたのは最近のことです。
樹木葬は海外では珍しいやり方ではなく、特に墓石のあるお墓を作る文化の無い国では一般的な埋葬方法です。

②広まっていないのは法的な理由も

樹木葬はお骨を埋める、もしくは散骨するということから、どこででもやっていいわけではなく、墓地として許可が下りた場所に定められた方法で行わなければいけません。
もし許可のない場所に埋葬をした場合、遺骨遺棄などの法的罰則をうけるだけでなく、土地の価格を低下させてしまうことや、その周囲の人への影響もあるため、絶対に行わないようにしましょう。
海外では土葬のやり方で樹木葬を行う国もありますが、日本では火葬が原則ですので、許可のない場所に土葬で埋葬した場合、死体遺棄などの罪で罰せられる可能性もあります。

③最近では日本全国で可能に

樹木葬の墓地が日本で法的に許可されたのは1999年といわれていますが、それから20年ほどたち今では日本各地に樹木葬が行える場所が整備されてきています。
遺骨1つごとに木を植えていくタイプのものも、シンボルツリーの周囲に埋葬していくタイプもどちらもありますが、お寺や墓地によっては片方だけしか対応していないということもあるので、事前に確認をしておくといいでしょう。

樹木葬の今後の展望

樹木葬はこれから先どうなっていくのか、ここ数年のお墓選びの傾向などから考えられることをいくつか紹介します。

①樹木葬は増えていくと予想される

日本ではここ数十年の間墓石を用いるお墓がブームといっていいほど人気が高まっていました。
しかし、お墓の管理の大変さや費用がかかるといった理由から、納骨堂や海洋散骨などの方法も人気が高まりつつある影響もあり、樹木葬は一般的な選択肢の1つと考えられるようになってきています。

②樹木葬が人気なのは都会

樹木葬はシンボルツリーの周囲に埋葬していくタイプのものであれば、一人一人のためにスペースを用意する必要が無いため、土地購入の費用が抑えられ、大都会のように埋葬スペースの需要と供給のバランスが悪い地域にもメリットがあります。
こういった背景から、都会の人が樹木葬を選ぶというケースが増えてきています。
これは世界各地の都会でも同じような傾向があり、今後もますます強まっていくことが予想されます。

③日本ではアクセス性も重視される

近年、田舎の山中や遠距離にあるお墓を、管理が難しいことから墓じまいする人が増えているように、お墓に対してアクセス性を求める風潮は強まってきています。
日本にはお墓参りという風習があることが主な理由で、景色のいい山中などにお墓を建てる欧米などとは異なる部分です。
そういった理由から、日本では駅のそばや都会から離れていない場所に樹木葬の墓地が用意され、直通の送迎バスが用意されることが増えてきています。
これは都会に限らず田舎でも同じ流れで、バスや車でのアクセス性を重視して、幹線道路のそばなどに墓地ができる例は数多く存在します。

樹木葬への準備方法

樹木葬を実際に選択しようと考えている場合、どういった準備や心構えが必要なのか、具体的に紹介をしていきます。
基本的に準備に特別なことは必要ないということを知っておくと、樹木葬について詳しくない人でも安心して準備が開始できるでしょう。

①埋葬までの流れは普通のお墓と同じ

樹木葬はお骨を埋めるものから散骨をするものまでいくつか種類がありますが、基本的に守らなければいけない条例や手続きというのは、他のお墓での埋葬と何ら変わりません。
まずは故人が亡くなられたことを証明する死亡診断書を受け取ることから始まり、葬儀の準備のための手続きとして、火葬許可証や火葬場との契約を行います。
その後受け取ったお骨を墓地で樹木葬にするだけですので、特別なことは一切ありません。
散骨をする場合、大きな骨のままでは許可されることはほとんど無いため、粉末状にするという点も他の散骨方法と一緒です。
お骨の一部をお寺などに納骨するための分骨をすることも可能です。

②既に一族のお墓がある場合には

樹木葬を含め、自然葬の形で葬ってもらう選択をする人にありがちな疑問点の1つに、一族のお墓に入らないという選択をどうするかというのがあります。
特に難しい立場なのはお墓の継承者ですが、お墓の継承者は法的に誰にしないといけないという決まりもありませんので、自由は認められています。
ただし、継承者がお墓の継承を拒否したとしても、誰かが継承しなければ最終的にはお墓の後処理が必要になってしまいます。
もし墓じまいをして檀家から抜ける場合には、離檀料を払う必要があるため、そこはお寺との交渉が必要になることもあるでしょう。

終活で樹木葬を考えている人への提案

終活で樹木葬を選択しようと考えている人は、そのための準備になにが必要なのかを紹介します。
準備をしておくことで、自分が亡くなった後葬儀から埋葬までの準備をする喪主や家族の負担を軽減させることが可能ですので、そういった人達のためにも入念に計画をたてるとよいでしょう。

①自分が墓に入らないことを伝える

樹木葬と一般墓の決定的な違いは、お墓に入るか入らないかの部分です。
これによってお墓の継承を含め、家族のお墓の事情が大きく変わることを決定づけることになります。
現状自分のお墓や継承したお墓が無い場合には、新設をしないことを伝え、継承の権利があるけどまだ継承していない場合には、継承しないつもりだということを伝えることが重要です。

②樹木葬をよく知ること

樹木葬について交渉が必要な場合には、入念に話し合いを進めるために、樹木葬のことを自分だけでなく周囲の人も良く知っておく必要があります。
お墓に関しては「全員が納得する」ということがとても重要で、散骨の方法をとった場合、後から引き返すことができなくなってしまうため、選択に後悔があると一生悔いが残ります。
まずはよく知り、その上で有意義な話し合いをすることで、間違いや食い違いが起きる可能性を大幅に減らすことができます。

③可能であればエンディングノートや遺言書にも書いておくこと

樹木葬にしてもらうことを家族と確認したとしても、最終的に自分の死後に遺骨の埋葬を行うのは遺族です。
遺族にしっかりと自分の意思表示を証拠として残しておくことで、遺族も安心して樹木葬の作業を進めることができるようになります。
そのために最も有効な手段は遺言書に樹木葬をしてもらうことを書いておくことで、簡易的な方法であれば、エンディングノートという方法もあります。

まとめ

樹木葬を満足のいく形で成功させるには以下の3つの極意を頭に入れておくことが重要です。

・樹木葬の手続きや儀式は一般的なお墓と同じ
・お墓に入らない場合は特によく相談を
・アクセス性の良さが人気のポイント

①樹木葬の準備は一般的なお墓と同じ

樹木葬は見た目こそ一般墓とは大きく異なる埋葬方法ですが、亡くなってから埋葬までの一連の流れに、特別なことは存在しません。
死亡診断書を受け取るところから始まり、散骨であれば骨を粉末状にするところ、火葬や埋葬の許可を受けて定められた場所に埋葬するといった、一連の流れはなにも特別なことはありません。
主に埋葬に合わせて木を植えていくタイプでは、三回忌や十三回忌などの法事も行われるため、埋葬後の儀式も特別なことはありません。

②お墓に入らない場合は特によく相談を

樹木葬だけでなく自然葬などでお墓に入らない選択をする場合全般にいえることですが、自分が入る予定であったお墓や継承する流れであったお墓がある場合には、継承者の問題などが発生するため、よく相談をする必要があります。
自分の代でお墓を片付ける場合には、お寺との交渉や、遺骨を取り出し移すための手続きが必要になります。
こう言った作業をせずにお墓を放置してしまうと、後々大きな問題に発展することがあるので注意が必要です。

③アクセス性の良さが人気のポイント

樹木葬に求められるポイントは人それぞれありますが、全国的に共通なポイントはアクセス性です。
景色のいい場所に埋葬されたいという場合には、里山のような人里から離れた場所を選ぶこともありますが、お墓参りをする人がいる場合には、やはりアクセス性を優先した方が、満足度が高いです。