失敗しない生前墓の建て方

~生前墓を建てることのメリットについて詳しく解説~

失敗しない生前墓の建て方

生前墓とは

生前墓はその名前の通り、生前に用意するお墓のことをいいます。
生前にお墓を用意してしまうというのは縁起が悪いとか、自分の死期を考えるという意味で嫌がる考え方もありますが、実は数多くのメリットが存在するので、生前墓のメリットを紹介します。

①亡くなった直後の忙しさが激減

自分が亡くなった後、葬儀の喪主を筆頭に家族や近しい人達はとても忙しい日々が始まります。
お墓の準備を一から始めると、お寺選びやお墓の種類やデザイン選び、費用との兼ね合いといった数多くのことを決めなければなりません。
葬儀の準備に加えてこういったお墓の用意まですると、とても大きな負担になりますが、事前に生前墓を用意して、葬儀が終わったら納骨まで行うてはずが整っていれば、その負担を大きく軽減させることができるのです。

②全員が納得できるお墓が用意できる

お墓のことを遺族に任せて亡くなった場合、本人の意思表示がないと、遺族の想像に判断を委ねることになります。
本人への確認ができない以上、どうやっても遺族は100%本人の意思通りのお墓選びができたというのは難しいでしょう。
生前墓を家族と一緒に用意すると同時に、お葬式のことも決めておけば、さらに満足度の高い終活になるでしょう。
こういったお別れの時の満足度というのは取り返しのつかないことも多いので、大切にしましょう。

③相続税の負担軽減

お墓は相続税の非課税対象になるので、生前にお墓の購入を済ませて財産を減らしておくことで節税になります。
お墓の購入費用は100万円を超えることも珍しくないため、大きな節税効果になるでしょう。
お金を大切にするという観点から見ても、生前墓を用意するのはとても有意義なことです。

生前墓の現状

生前墓を用意している人は実際にどれくらいいるのかや、生前墓を選ぶメリットがどれくらいなのかなどを紹介します。

①生前墓を選ぶ割合は約2割

生前墓は縁起の悪い選択と考える人も少なくないことから、そこまで多数派の選択肢とはいえません。
毎年行われる調査でも2割前後で推移というのが続いています。
ただし、毎年5人に1人という一定人数が生前墓を用意していると考えれば、珍しい選択ではないことがわかります。
墓地数そのものは日本全国で減少傾向にありますが、納骨堂が増加していることを筆頭に、お墓を新築する人はまだまだ数多く存在していることからも、生前墓を選ぶ人は少なくありません。

②選ばれるお墓の種類は多彩

生前墓で選択されるお墓の種類は豊富で、一般墓も納骨堂もどちらも選ばれています。
特に納骨堂や期限付き契約のお墓のように、後継者がいない方が選ぶことの多いお墓では、生前墓の購入割合が大幅に向上します。

③お墓の費用の平均は120~170万円

生前墓を選ぶ理由の1つにある相続税対策の部分ですが、お墓の費用の全国平均は120~170万円です。
相続税の基礎控除額は平成31年4月1日の時点で3000万円、それに加えて法定相続人一人につき600万円が控除額として設定されています。
ここからは1000万円以下で10%、3000万円以下で15%、5000万円で20%といったように累進課税がかけられていきます。
3000万円の15%で費用を150万円と考えても、22万円ほどの節税になると考えれば、その効果の大きさがわかりますし、税率が下がる範囲までうまく落とすことができれば、負担の軽減にもつながります。

生前墓の今後

生前墓の現状やメリットに加えて、生前墓を取り巻く考え方や社会の環境などの様々な観点から、これから先どういった展望があるのかを紹介します。

①生前墓は増えていくと予想される

生前墓を選ぶ理由には、節税や満足度といった部分も大きいですが、近年数が増えつつあり今後もますます増えていくことがあらかじめわかっている「後継者がいない人のお墓選び」という部分も、増加の要因として考えられます。
後継者がいないということは、基本的にお墓を自分の死後に購入する人もいないということですので、必然的に生前購入することになるからです。
そういった選択をする人が増えることで、生前購入は縁起が悪いなどといった考え方が薄まることも予想されます。

②生前墓を建てる制限がある地域の動きにも注目

生前墓は、まだ本人が生きている状態でお墓を購入するという部分から、墓地の申込をするための条件に「遺骨を所持している必要がある」といった内容が含まれている場合には、購入が不可能になってしまうこともあります。
こういった決まりは主に市営のような自治体が運営する墓地で多く見られます。
現在は主に民営や寺院の運営している墓地で生前墓は購入が可能になっています。

③終活の人気の高まりも後押しする要因の1つ

終活が全国的に人気になっていることからわかるように、自分の死後の準備をあらかじめ行うことは、最近では珍しいことではなくなってきています。
このような意識の高まりは、お葬式の計画をたてたりお金の整理をしたりと様々な面で影響が出ていますが、生前墓は労力やお金に大きな影響を与えるため、終活の中でも大きな注目を集めています。

生前墓の準備方法

生前墓を実際に準備する時、どういったことを気にすればいいのかを紹介します。

①まずはじっくりと相談を

生前墓の用意には、自分自身の意思も重要ですが、同様に家族の意見も大切にしましょう。
お墓参りに来てくれる人の労力を軽減するために、アクセス性の良い場所にお墓を建てたり、既にあるお墓の管理が大変な場合には、墓じまいをしてお墓を引っ越したりすることもいい選択でしょう。
こういったお墓に入る人のみならず受け継ぐ人やお参りに来てくれる人など、できるだけ多くの人の意見を取り入れて、納得できるお墓が用意できれば、それだけ安心して満足することができます。

②時間と労力をかけて答えを出す余裕を

お墓選びで重要なのはパンフレットや係員の話を聞くだけでなく、自分自身で現地に赴き自分の感覚で判断をすることです。
生前墓は自分自身で確認しながら準備ができるという部分が最も大きなメリットですので、確認作業を入念にやらなければ生前墓を選択するメリットが大幅に減ってしまうでしょう。
そのためにも、時間と体力に余裕があるうちに作業を開始して、可能であれば候補となる墓地を複数見比べて熟慮するようにしましょう。

③条件やお金についてはよく相談をすること

生前墓を建てることができない墓地もあるので、事前に確認してから選ぶようにしましょう。
節税の一環として生前墓を用意する場合にも、予約だけでは支払い方法によっては相続税対策にならないので、しっかりと購入をする必要があります。
お墓の維持管理費も生前から長く払う必要が出てきた場合、そこまで大きなメリットにならないことも考えられますので、タイミングなどをよく考えて購入しましょう。

終活で生前墓を考えてる人への提案

実際に終活で生前墓を選択するかどうかを考えている人に有意義な提案をいくつか紹介します。終活において大事なキーワードとなるお墓選びを満足のいくものにするために、1つ1つしっかり確認しながら進めていきましょう。

①家族や周囲の人との相談を入念に

終活や生前墓の準備の意味の半分は、自分が亡くなった後に残される人たちの負担を軽減することにあります。
ただ負担を軽くするだけでなく、よく相談をして全員が納得できる答えが見つけられれば、大きな意味のある活動になります。
相談をする際にはまず事前の情報収集が大切になります。墓地や法律など関係することの情報を正確に数多く集めましょう。
要望が出たらそれをまとめて納得できる着地点を探しながら、墓地を見学しに行くなどして答えを出します。
こういった一連の流れには時間も労力もかかるため、早い段階から活動を開始するのが望ましいでしょう。

②お墓の種類にもこだわること

最近では一般墓のみならず納骨堂や自然葬など多彩な埋葬方法が用意されているため、単純に生前にお墓を用意するということではなく、どういったお墓を用意するのかもよく考えないといけなくなってきています。
最新のお墓の知識を深めて、より深い部分まで話を詰めることができれば、より一層満足度の高い選択ができるようになります。

③リーダーシップを持って活動を

生前からお墓の準備を始めることで、自分が中心に立って話し合いをすることができます。
多くの人の意見を取り入れることも、自分のこだわりを通すにも自分が話し合いの中心になることは有効ですので、ぜひ活発に周囲を巻き込みながら終活を進めていくように心がけるようにしましょう。

そこで最後に

失敗しない生前墓の建て方 の極意3ヶ条

①早めに活動を開始してよく相談をすること

生前墓は後継者がいる場合などには、最終的には子や孫その先の代まで受け継がれていくものですので、安易な答えを出すと後々の問題の種になることも考えられます。
家族や後継者は勿論のこと、周囲の人への相談も重ねることでより納得のいく選択になるため、時間をかけて入念に相談をして答えを出すといいでしょう。
そのためにも、元気なうちに早くから活動を開始して余裕を持っておくといいでしょう。

②お墓にこだわりを持つこと

生前墓はお墓を生前購入するだけで満足してしまうのはとてももったいないです。
せっかく自分の意思が明確にできて相談も可能なわけですから、お墓の形態やデザインなどにもこだわりを持って選べると、より一層生前墓のメリットが有効活用できるようになります。

③メリットを大切にすること

生前墓には相続税対策や、全員が納得のいく選択がしやすいといったメリットがある反面、縁起が悪いなどといった否定的な意見も少なからず存在します。
確かに自分の死後を準備し、まだ元気なうちから自分のお墓が建つというのは気分がよくないというのもわかりますが、それを補って余りあるほどのメリットがあるのも事実だということを忘れないでください。
頭の片隅に入れておいてください。