LGBTの高齢者支援

~孤独死が増える中、LGBT高齢者への理解が必要~

*お話をお聞きするのは、アライアンサーズ㈱代表取締役社長・久保わたるさん

LGBTの高齢者支援

*久保社長プロフィール
大学卒業後、東証一部大手建設会社を経てIT系企業へ。そこで東証一部上場に向けての作業に携わり退社。その後 2018年11月、アライアンサーズ株式会社を設立。
他社の強みを自社の企画力でwin-winにする“アライアンス”という営業手法で、特に高齢者の生活問題やLGBT高齢者への支援を行う。
【事業内容】
①独居・老老夫婦に特化したお葬式業務
②レクリエーション事業 ➂少額保険取扱業務
④終活サポート ⑤シニア住宅紹介 
⑥高齢者事業コンサルタント業務
⑦LGBT高齢者の生活支援、コンサルタント業務
⑧高齢者の老人ホーム・賃貸物件入居時の身元引受業務
⑨高齢者自動車免許証返納サポート事業

【メディア出演】
■2018年 ・フジテレビ系例 ザノンフィクション「マキさんの老後」
■2019年 ・鎌倉新書「月刊仏事」にお気軽なお葬式掲載 高齢者住宅新聞
■2020年 ・共同通信社にて「LGBTの老後生活サポート」として全国掲載
お気軽なお葬式掲載 ・首都圏地域包括支援センター等で「終活講座開催」多数
その他多数メディア出演あり

*注「LGBT」とは?
★LGBT(英語:lesbian, gay, bisexual, transgender )
「Lesbian」(レズビアン、女性同性愛者)
「Gay」(ゲイ、男性同性愛者)
「Bisexual」(バイセクシュアル、両性愛者)
「Transgender」(トランスジェンダー、出生時に診断された性と自認する性の不一致)
の頭文字をとり、セクシュアル・マイノリティー(性的少数者)の一部の人々を指した総称。

久保社長よろしくお願いします。
今日のテーマは 「LGBTの高齢者支援」
ということなんですが、その前に、いまお一人で亡くなる方「孤独死」が増えているという現状が報道各紙で報じられています。

*例えば2020年2月7日付朝日新聞には、
大阪府で2019年に発見された孤独死は2996人。65歳以上の高齢者が71%で大部分を占め、そのうち1カ月以上たって見つかった遺体が382体にのぼる。

*この他「東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計」で
 東京23区における65歳以上の単身者の自宅での死亡者数は、
・平成29年     ・平成30年
男性が2,147人  →  2,518人
女性が1,172人  →  1,349人
というデータも発表されました。
これらを見ると、高齢化社会と共に「独居老人の孤独死」が増える中、私たちは今後どう向き合っていくかを真剣に考える時代に入ったと言えます。

Q、そこでまず、「独居老人」「孤独死」について、久保社長が肌で感じていらっしゃることを伺えますか?

*独居老人の孤独死について
まずその特徴は男性と女性で大きく分かれます。独居老人の孤独死は男女で比べると男性の方がはるかに多いです。
その割合は都道府県にもよりますが、男性が女性の約3倍~5倍というデータが報告されています。
どうして男性と女性でこんなに差が出るかといいますと、その大きな要因に「男性はコミュニティを敬遠する傾向にある」ということが挙げられます。
一般的に男性は、会社退職後に、人付き合いができずに、趣味を見つけてコミュニティ(教室や習い事など)などに参加できず、家の中に引きこもる方が一定数います。
その結果、昼間からお酒飲んだり、ずっとテレビを観たりと一人の時間が多くなり、ますます人と接することが嫌になって行くのです。これが認知症にもつながっていきます。

ここで認知症の誘発について少し説明しますと
*認知症を誘発する原因にはアルコール依存症やうつ病などがある。
*「孤飲」「孤食」などの生活習慣を続けると認知症発症リスクを高める。
などです。

なぜ男性がこのような状況に陥りやすいかといいますと、「プライド・心の問題」なのです。
男性は長い間会社などで働いた時の「地位」や「尊厳」にどうしても縛られてしまう。
特に現在の高齢者は、日本の高度成長期を支えてきた方々ですから、どこかにそういうプライドを持っているのでしょうね。

Q、こういう状態が続いていくとどうなるんですか?

私が接してきた中で多くあったのが、高齢者の「うつ病」です。
そうなると次に何が起こってくるかというと、体調を崩しても外部との接触を避け誰にも相談しない。すると生活環境は当然悪化して、部屋の中がゴミだらけになる。
もし認知症の症状が出ていればさらにそれが悪化して、結果として孤独死に繋がってしまう。
こういう流れで孤独死になってしまう方が多くいらっしゃいます。

一方女性の孤独死の割合が少ない理由は、「女性はコミュニティを好む」ということです。
男性に比べて女性は外に出て誰かと話そうとします。
様々な理由で、一人で暮らすようになった場合、自分が孤立しないためには、どこかのコミュニティに入って頂くことが最良と考えます。
そして孤独回避の中で一番有効なのが、「孤食回避(誰かと一緒にご飯を食べること)」です。
週に1回でも構いませんので、是非身近な方を誘って、ご飯をご一緒に食べてみてください。
お住いの近くで開催されているコミュニティに参加して、そこで知り合った方と定期的に食事に行くこともお勧めです。
あと地域包括支援センターやデイサービスなど使えるサービスは積極的に利用することです。
女性の老い支度での懸念は、男性と比べると現役時代の収入が男性より低い傾向にあり、年金受給額が低い方が多いということです。
厚生年金に加入していた男性と離婚し、国民年金だけで生活する高齢女性もそうです。
これは切実な問題で、旦那さんがいれば厚生年金や二人分の基礎年金が入ってきてまだ少しは余裕が出ますが、旦那さんと離婚して一人暮らしする場合は国民年金しかなく、日々の生活費追われ、貧困に陥ってしまうというケースが少なくありません。
この事が女性の孤独死に繋がって行くと思います。
老後の貧困に陥る方は多くいらっしゃいます。社会全体でそのような現実を理解し、官民でサポートする体制が必要になってくるのです。
男女ともに65歳位(介護問題等が発生する平均健康寿命は75歳です)になったら誰かにサポートしてもらう年齢が近づいていることを自覚し、「誰にサポートを求めるかを決める」必要があります。
「おひとり様」「老老夫婦」の場合、弊社のような会社を頼りにして頂きたいです(老人ホームなど入居時に身元引受などが必要なため)。
サポート体制が決まれば、孤独死などの問題も減らすことが出来ます。

Q、そのような高齢者の現状を踏まえて、「LGBTの高齢者支援」について伺って行きたいと思います。
その前に「LGBT」の基本的な意味をおさらいしておくと
★LGBT(英語:lesbian, gay, bisexual, transgender )
「Lesbian」(レズビアン、女性同性愛者)
「Gay」(ゲイ、男性同性愛者)
「Bisexual」(バイセクシュアル、両性愛者)
「Transgender」(トランスジェンダー、出生時に診断された性と自認する性の不一致)
の頭文字をとり、セクシュアル・マイノリティー(性的少数者)の一部の人々を指した総称。
まず「LGBTの老後支援」とはどういうことか教えて戴けますか?

*LGBTの老後支援とは?
そうですね、LGBTの老後支援を行う上で大切にしていることは「特別な事をしない」ということです。
LGBT の当事者も同じ人間です。普段は一般社会の中に溶け込んで生活しています。
しかし、終活・老後のライフプランや生き方の問題が絡むと、当事者では相談しにくいと感じている方が多くいます。
「性的少数者であることを隠して生きてきたこと」などの悩みがあるためで、ストレートの方と同じような生活を諦めてしまっている方も多くいます。
必要なことは“共感”と“個々人の方々への理解”です。
「性的少数者であることを理解して貰えないのではないか」という不安が、ご本人たちの精神的な負荷になり、心の壁になるのだと思います。
ただ相手が理解のある方だと分かれば、打ち解けてくれるスピードも早いものです。いかに心の壁を打ち破れるかが大切です。

Q、ではLGBTの方々を取り巻く現状はどうなっていますか?

いまLGBTの方がどれくらいいらっしゃるかをご存知ですか?
電通が2018年に調べたデータでは約8.9%で、一般的なことと比較しますと、血液型のAB型や左利きの方と同じくらいの人口比です。
気が付かないだけで、私たちの身の回りには一定数いらっしゃるはずです。

LGBT当事者の方は特におひとり様も多いため、老後支援(終活支援含む)はこれから増えていくでしょう。
問題を放置すると、先ほどの独居老人や孤独死と同様の問題が発生することが予想されます。
パートナーと言えば、同性パートナーの場合、結婚制度がありません。法律がないため、パートナーはいても結婚出来ません。
一人暮らしまたはパートナーと暮らす選択になりますが、仮にパートナーがいても先立たれれば、おひとり様になります。
残された方は精神的にも金銭的にも苦しい生活環境になりがちです。
分かりやすい例では、パートナーと同居し先立たれた場合、「住居(居住権)」の問題リスクがあります。
先立たった方の契約の場合、残された方には居住の権利がなくなります。
※法律婚の場合は配偶者にも居住権はあります。
また持ち家の場合、先立った方の親族に相続権があります。
対策としては、公証役場で公正証書を作成することです。
どちらかに不幸があっても、残された方のために備えておくことが大切です。
※昨今、行政が支援するパートナーシップ証明がありますが、財産や権利関係の保全に十分とは言えません。公正証書の作成はマストと考えても言い過ぎではないと言えます。

Q、LGBTの方々の老後に向けてどんな心構えや準備が必要でしょうか?

先ほどお話したパートナーとの暮らしで起きる問題をクリアしておけば、LGBTの方々の老後は、そうでない方とほぼ同じです。
備えとして必要なことは3つ挙げられます。
①住まいとお金
②介護
③孤立しない

①住まいとお金
まず健康寿命である75歳までは自立で行きたいものです。
健康寿命が尽きた年齢前後には要支援・要介護認定を受けられる方も多いと思います。
介護保険を受給することで老人ホームなどの「住まい」に関する選択肢は増えます。
そこまではいかに老後資金と住まいの計画を立案し、実行する必要があります。
例えば、現在10万円の家賃の家に住んでいるとしましょう。
現職があり、収入があればそれでもいいとお考えになるかもしれません。
しかし昨今は、高齢者に賃貸物件を貸してくれる大家様は不足しています。
出来る限り、早目(50代くらいまでが好ましい)に住み替えをすることをお勧めします。
浮いたお金の貯蓄をしておくこともいいでしょう。保険も年齢や状況に合ったものか見直しした方がよろしいかと思います。
お気づきかもしれませんが、「終活」は専門知識の集合体のようなものです。
体系的な知識が必要であり、「医療」「法務」「老後生活支援」「介護」「葬儀」など幅広いものです。
決定的な間違いは「なんでも自分で学んでしまうこと」です。頑張りすぎて疲れてしまうことを避けて頂きたいものです。
そもそも「ご自身の身体が不調をきたす、または不測の事態が生じたときに準備すること」が終活、老い支度です。
知識は程々で大丈夫です。あとは「誰に何を任すか」それを決めることが重要なのです。

②介護
65歳を超えると認知症のリスクが高まります。2025年には、認知症の割合は65歳以上で6人に1人になると言われています。
残りの5/6のうち、予備軍は一定数いることもご認識頂く必要があると思います。
認知症には誰しもなりえます。備えとして、貯金、認知症に向けた保険、任意後見契約(認知症発生時に契約行為の代行をしてもらうことを目的として)を準備するなどです。

③孤立しない
典型的な孤立例として。会社退職⇒コミュニティの喪失⇒行先を無くす⇒孤食が増える⇒孤独を誤魔化すために一人酒⇒昼夜を問わず、お酒を飲む⇒メンタルに不調をきたす(老人性うつ病など)⇒生活が乱れる・・・・⇒最悪の場合孤独死 という悪循環があります。
まずは「孤食(ひとり飯)」をやめましょう。週に1回でも構いません。どなたかとご飯を一緒に食べてください。精神衛生上もプラスです。
そして、弊社のような専門家とうまくお付き合いして下さい。
「民間サービス」を軸にし、「地域包括支援センター」や「民生委員」などの方などともうまくお付き合いください。
困ったときの相談先があれば、周りが異変に気が付いてくれる可能性は高まります。
おひとり様、老老夫婦の方々は医療や介護を受ける際の準備は必要です。
老人ホーム、入院にしても身元引受が必要です。それは地域包括支援センターでは対応出来ません。
身内がいない場合は、民間サービスをうまく使うことです。

*サポート実績例(60代ゲイ男性の例)
老人性うつ病やアルコール依存を発症。
生活困難になる前にサポート依頼があり、医療、法務、病院付き添い当社の生活支援をかけあわせ、現在治療中。
経営する飲食店の解約手続きや高齢者住宅(住宅型有料老人ホーム)への引越および手配も含め、幅広くサポート中です。

Q、最後に老後を迎えるLGBTの方々へのご提案がありましたらお願いします。

とにかく一人で悩まず弊社などの専門家に相談してください。ヘルプを早く出すことです。
私は2019年にLGBT終活等の老後生活支援任意団体「ラムダ(LGBT包括生活支援連絡協議会)」を共同で立ち上げました。
『Legal, Assisting, Medical and welfare Designing Assembly』の頭文字から取っています。
当社アライアンサーズ株式会社が中心となって、LGBTを中心に生きにくさや諸事情を抱えている方々向けに、LGBTの立場に立った医師、社会福祉士、元議員、行政書士など様々な専門家たちが意見を出し合い、
「医療」「行政」「法律」「福祉」「生活サポート」「依存症」など、各分野のサポートをしています。

LGBTの高齢者支援

<相談事例>
〇一人暮らしで今後の生活が不安
〇年老いた両親の世話(介護含む)が不安
〇高齢者住宅(老人ホーム等)の選び方がわからない
〇同性パートナーに財産を残したい/居住についての不安
〇遺言を作成したい(公正証書)
〇医療や病気について不安がある

ご相談者様にヒアリングさせて頂き、医師・法律・行政の専門家チームと情報を共有し、プランや解決策をご提示します。
LGBT当事者に限らず、「何が問題かもわからない」「何をすべきかわからない」などというご相談も多くあります。
1時間の相談は無料です。まずは雑談をしに来る感覚でお越し頂ければと思います。