知っておきたい「永代」は「永遠」ではないこと

お墓・供養に関する費用について詳しく解説!

知っておきたい「永代」は「永遠」ではないこと

お墓では一般的には使われない「永代」という用語が使われています。「永代」を使う用語には永代使用料と永代供養があります。これらはどのような意味なのか?「永代」と言っても人間社会である以上は「永遠」を約束できるものではありません。実際にはどのようになっているのか?利用者側にとっても不明確な「永代」ですが、お墓の運営者側にとっても従来あいまいだった部分もあり、「永代」とはいっても期限が明確化される動向です。

1.「永代」は「永遠」ではないこと

(1) 永代使用料

墓地・霊園の墓地の場所代として1回払えば、基本的に子孫などの継承者がいる限り無期限で使用できるものです。永代使用権は所有権ではなく利用権で、他人に譲渡・転売することはできません。継承者がいなくなり管理費が払われなくなると無縁墓となり使用できなくなります。また、「永代」にも期限が設定されている場合があります。(後述)

(2) 永代供養

日本において葬儀やお墓を中心的に執り行うのは仏教寺院です。仏教寺院において、永代とは、永世・半永久的なことを意味し、供養とは仏教語で、三宝(仏・法・僧)または死者の霊に供物を供え、仏事を営んで死者の成仏を祈ることとされています。従って、永代供養とは、仏教寺院が遺族に代わって永続的に仏事を営み死者の成仏を祈ってくれる形態のことです。
仏教以外の他の宗教でも、永代供養とは言いませんがそれぞれの神などから守られるなどの意味があるでしょう。

しかし、永代供養をし、お墓を運営・維持管理するのは寺院などの人の組織である限り永遠ということはありえません。運営する寺院などの組織が続く限りということでしょう。

(3) 年間管理費や檀家料が払われなくなり、お墓の承継者がいなくなったらどうなるのか?

一方お墓を建てた利用者の側の問題もあります。お墓の運営者にとってはお墓の維持管理にお金がかかります。毎年かかる費用として、年間管理費が定められている場合もありますが、仏教寺院の場合は檀家であることを条件に毎年のお布施などで実質的に費用を払ったりしますが、お墓や檀家として承継者がいなくなったりする時に問題が生じます。基本的には、年間管理費や檀家料が払われなくなれば、遺骨は他の人の遺骨と一緒に合葬され、お墓は撤去される可能性があります。

(4) 永代と言っても実際には期限が設けられている場合

最近はこの永代というものでは期間が明確でないため、年間管理費が払われなくなった場合の規定を明確にすることが増えてきました。期限の設定では、17回忌、33回忌までなどが一般的です。17回忌まででは6年間の保管になり、33回忌まででは32年間の保管となり、それ以後は個別スペースから遺骨は出され他の人の遺骨と一緒にする合葬形態となります。

2.知っておきたいお墓・供養に関する形態と費用の現状

お墓の形態では、単独墓、集合墓、合祀墓(ごうしばか、共同墓)の3つに大きく分けられます。

(1) 単独墓

従来型の地上の土地を区分し墓石を建てその下の納骨スペースに骨壺を納骨するものです。永代使用型が通常です。

①永代使用料

面積が1㎡程度の区画の場合、10万円~150万円程度ですが、土地代を反映するために東京23区では面積によりますが100万円~200万円 程度まで上がります。価格からどうしても郊外圏にならざるをえない原因です。都市部ほどまた立地の良いほど値段が高く、有名寺院は格式から値段が高くなります。当然面積の大きな墓地は高くなります。

②年間管理費

お墓の基本的な維持管理に必要な費用です。共有スペースの維持費なども含まれます。また清掃代やお花代が加算される場合もあります。
霊園では年間管理費がかかるのが通常ですが一括前払方式もあります。寺院では檀家となることが条件の場合が中心です。檀家となるには檀家料が必要な場合もあります。年間管理費では檀家としての年間のお布施などの形態をとります。お布施の場合は定額の規定はありません。
年間管理費が払われなくなると、事前に告知や承継者不明であればお墓に文書貼り出しが行われ、一定期間後お墓の使用権が取り消されます。
年間管理費は公営の安いところであれば2千円程度からです。寺院・民間霊園では1・2万円台でしょう。

③墓石費

墓石は石材店により作られ維持管理されます。墓石代の内容は、基本的な石材一式費と、石材加工費(家名、個人名・戒名、建立者などの基本彫刻料など)、工事費です。

墓石費は墓石の規模、石材の種類、彫刻の字数などにより異なります。全国平均で120万円~175万円ほどです。彫刻料は字数により異なりますが新しくお墓を作る場合は10万円以上、墓誌への彫刻は3万円~5万円程度です。
なお、都市部で墓地の永代使用料と墓石をセットにして低価格で提供する例も出てきています。

(2) 集合墓(納骨堂など)

寺院、教会などの宗教施設内の屋内・地下スペースの中の、個別に区切られたスペースを使用し骨壺を納骨したものです。大別すれば、納骨堂形態と慰霊塔形態があり、納骨堂では屋内専用スペースを設けるものがあり、屋外で専用の建物を建てて行う場合があります。慰霊塔形態では、地上の慰霊塔モニュメントの地下に納骨スペースを設けるものです。

納骨堂では、スペース形態からロッカー式、仏壇式などがあり、機械的システムの形態から自動搬送式などがあります。ロッカー式ではロッカーの下部に納骨するスペースがあり、少スペースでコンパクトなため料金は相対的に低くなります。仏壇型の納骨堂では、仏壇のスペースがあり仏壇の下に納骨できる場所があります。位牌などを前にしてお参りできます。家族用の納骨室が中心です。自動搬送式ではお参りできるスペースが設けてあり、機械が骨壺を運んできて遺骨の前でお参りすることができます。永代使用型が通常ですが期間契約型もあります。

集合墓では庭園墓もあります。遺骨を個別の骨壺に入れて庭園内の地下に埋葬する方式です。

①集合墓購入費

大都市部で最近最も人気の形態です。スペースの小さい都市部の寺院などで多くあり、また不動産業者が寺院と提携する形で実質的に寺院の新事業として行っている場合もあります。価格は1基(1人分)30万円~90万円程度で、平均50万円です。複数人入れる家族方式になると価格もアップし100万円以上となります。

②集合墓年会費

管理費では初回1回のみの形態と、毎年一定額の規定管理費がかかる形態があります。本来的な意味では、個々の墓が占有スペースのある永代使用権方式であれば毎年の管理費がかかりますが、永代使用権の無い合同スペースの永代供養式であれば初回のみの費用で済むのが標準です。年間管理費がかかる場合、管理費が支払われなくなると専用スペースから合葬されるスペースへ移動されるのが標準です。個別に契約を確認する必要があります。
年間管理費は1~2万円台です。

(3) 合祀墓(ごうしばか・合葬共同墓)

*合祀費

10万円以上が標準です。合葬・合祀墓は墓地の運営者によって管理されます。宗教宗派によっては信徒による祈りがあり安心されている場合があります。また独身女性専用墓もあり同様の環境の後輩女性によって祈りがあると考えられます。
樹木葬では、5万円~80万円程度で標準は20万円台です。人気の場所では倍率が高い場合もあります。

3.知っておきたいお墓・供養に関する費用は今後どうなっていくのか?

全体的に、近くて安いものが伸びています。近いとは、自分の住む地域から遠い地方の実家近くなどではお墓をお参りする機会も少なくなり不便だからです。費用が安いという点では今までが高すぎるとも言えます。都市部の寺院墓地でも低価格なものが増えています。単独墓では少スペースでの販売が増え、購入費用自体の安い集合墓、合祀墓が増えています。

お墓の承継者がいなくなる傾向は今後も拡大すると考えられるため、最初は個別スペースでの単独墓や集合墓を設けても将来的には合祀される可能性が拡大しています。そのため、合祀される形態についても事前に確認しておく必要があります。合祀形態を前提にしたお墓の形態は今後も伸びると予想されます。

将来のお墓の形態を示唆するものとして、著名在来寺院でお墓の革新を進める築地本願寺では、「未来墓=個人墓、一代墓、都市墓。私が私のお墓を自分で決める・・・自分限りで完結する生前予約型のお墓です。」として募集しています。家のお墓の時代から個人のお墓の時代へ。個人のお墓とは承継者がいないことを前提にしています。

4.知っておきたいお墓・供養に関する費用の準備

単独墓、集合墓、合祀墓(ごうしばか、共同墓)の度の形態をとるのかを判断します。
先祖のお墓に入る場合はお墓の購入は当然不要で年間管理費と墓石・墓誌への追加の彫刻費などで費用的にはさほどの準備は必要ではありません。

子どもがおらずお墓の承継者がいない場合、また、将来お墓の承継者がいなくなると想定される場合は、自分で、もしくは配偶者とともに、生前にお墓を購入しておく必要があります。その場合は合祀墓を検討するのが現実的でしょう。費用的には安くなります。

単独墓では、永代使用料、墓石費などで標準的に200万円以上の準備は必要になってきます。まず、永代使用料について地域、霊園、寺院などにより調べ、墓石費は一般的な相場を調べます。集合墓では1人用であれば50万円程度、2人用であれば100万円程度を準備し手おく必要があります。入りたい場所を個別に調べます。樹木葬などの合祀墓では20~30万円程度の準備は必要でしょう。

5.知っておきたいお墓・供養に関する費用―まとめ

(1) 生前墓の必要性

すでに入ることが想定されるお墓がある場合は別にして、新たにお墓を設ける必要がある場合は自分の生前にお墓を購入する生前墓となります。また、親が亡くなり入るお墓がない場合は、子どもなどの手で新たにお墓を設ける必要が出てきますが、将来的に自分もそのお墓に入ることを想定してお墓を設けます。

(2) どのような形態のお墓を選ぶかの選択

単独墓、集合墓、合祀墓のいずれを選ぶかを決める必要があります。配偶者、子どもがいれば家族とよく話し合い決める必要があります。
単独墓では、霊園があり公営と民営があります。宗教・宗派は不問の利点があります。寺院墓地では基本的に仏教のその寺院の檀家になることが必要です。キリスト教などの他の宗教でもその宗教の信者・家族であることが必要でしょう。

納骨堂などの集合墓も運営者の寺院などの規定によります。その宗派の檀家になることが条件である場合、問われない場合の双方があります。お墓の形態の選択では、お墓の承継者がいるのかどうかが重要な選択肢です。

6.知っておきたいお墓・供養に関する費用についての3ヶ条

(1) お墓は自分自身の心のよりどころの場所を選ぶこと。

永代供養と言っても、お墓のある寺院の僧侶が個別のお墓や遺骨を供養するものではありません。合祀墓であれば皆まとめて祈るということでしょう。つまり個別のサービスではなく、お墓に入る人の生前の心のよりどころの場所です。自分自身の心のよりどころとなる場所、例えば故郷であるとか、歴史のある有名寺院であるとかを選ぶことでしょう。

難しい選択になるかもしれませんが、仕方なく嫌々気に入らないお墓に入るのは避けたいものです。妻が夫の家の墓には入りたくないなどは、家のお墓から個人のお墓への考え方では自然なものかもしれません。

(2)自分自身の生前墓を検討すること。

お墓の承継者がいない可能性が増え、子どもや孫にお墓の承継で苦労させたくないという思いもあり、自分自身のお墓を自分の生前に購入する生前墓を検討することが必要です。

(3) 合祀墓もしくは将来的に合祀形態を検討すること。

生前墓を検討するときには、お墓の承継者がいなくなれば合祀形態が適当です。子どもがいれば当初は納骨堂などの個別納骨形態を選択しても、将来的に合祀形態に移行するものなどを選び、子どものいない夫婦であれば当初から合祀形態を選択することを検討したら良いでしょう。

お墓や供養に関する費用は従来分かりにくく、かつ、高額になりがちなものでしたが、消費者志向を受け、一般墓でも安くて小スペースなものが増え、また、よりコンパクトな納骨堂などの集合墓形態が増えています。しかし、お墓の管理に関する年間管理費などがかかればお墓の承継者がいなくなったら困ることから、合祀墓形態にも注目が集まる動向です。